@rkhdg

第1話

目の前の犬が私の右手を舐めている。私は左手で犬の頭を撫でてやる。犬は嬉しそうに目を細めた。


次の瞬間、私の右手は食べかけの棒アイスのように溶けた。私の右手だった液体は犬が全部舐めとった。

私は左手で起き上がろうとしたけれど、できなかった。

真っ赤な蕁麻疹がどんどん大きくなったあと黄緑と紫、青に変わった後に真っ黒になってボロボロの繊維状になって消えてった。

犬は私の左手だった糸をしっかり誤飲して満足そうに喉を鳴らした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

@rkhdg

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る