第7話石神先輩と

 椿さんの家に向かうこととなったので、これから電車に乗ることとなった。ケーキを食べて、駅に二人で向かった。

 駅に向かう道中では、話すことがなくなって虚無の時間が流れ始めた。カフェでは結構、たくさん話す人だと思っていたが何故か、ここで急に静かになっている。やはり、俺には理解できない。


「そういえば、どうでもいい話なんですけど石神先輩ってどこに住んでいるんですか」


「あっ、私の話。ごめん。少しぼーっとしてた。あれ、何の話しだっけ」


 どうやら俺の話は聞いていなかったようだ。さっきまでうるさいくらいだったのに、眠くなったのだろうか?眠くなってるのだとしたら自由人すぎると思う。


「先輩がどこに住んでるのかって話です。僕だけ住んでる場所知られてるのも不公平な気がするので」


「私は普通に栗橋のあたりに住んでるけど。いつも、宇都宮線で帰ってるけど」


「え?本当に言ってますか?なんで、じゃあ学校のあたりのカフェにしたんですか。普通にもっと近くでよかったじゃないですか」


「いや~あそこのカフェのケーキを久しぶりに食べたくなっちゃってさ。てへぺろ」


 先輩と自分が住んでる場所は車で三十分くらいしか離れていなかった。わざわざ休日にここまで来なくてよかったと思う。まあ、ケーキはおいしかったんだけどさあ~


 駅について電車に乗る。ここで椿さんからいつ頃、駅に着くかというメッセージが来た。大体、この時間だったら40分ぐらいでつくと思う。急行に乗ることができたし。椿さんに到着時間を調べて送った。どうやら、椿さんが駅に迎えに来てくれるようだった。


 電車に乗っていて非常に暇を感じた。石神先輩はすでに寝ているようだったが自分もいっしょになって寝るのはなんか違う気がするので40分間、ちゃんと起きていたのだがとてもつまんなかった。いつもなら見もしない電車で流れている広告をずっと見ていた。なぜか、自分が乗った電車の広告は同じもので固定されているようでずっと、自分が興味ないアイドルのイベントの広告が一生流れていた。これのせいで電車内で発狂しそうになった。まあ、もし、発狂しようものなら自分が頭おかしい奴だと思われてしますのでさすがに理性がちゃんと働いてくれた。そうして、なんとか発狂せずに家の最寄り駅まで着くことができた。

 先輩は最寄り駅に着いて扉が開いた瞬間に目を開いて起きたので自分もその能力が欲しいなと思った。


 駅前のロータリーでは椿さんと日葵が待っていた。今日も椿さんの服装は素晴らしいと思った。チェック柄のワイドパンツに白のブラウスといった服装だった。あと、今日はめずらしく眼鏡をかけていた。そこもいいと思った。あと、何気に日葵の私服も久しぶりに見た気がする。以前と比べて少し大人びたような気がする。椿さんは石神先輩を見た瞬間、少し驚いたような表情をしていた。


「もしかして、石神さんってお姉さんがいたりする?違ったら別に気にしないで」


「え?姉が一人いますけど…」


「もしかして、下の名前ってさくらだったりする?」


「え?どうしてわかったんですか?私のお姉ちゃんとどこかで会ってたりするんですか?」


「いや、大学の同級生で家が近いから仲良くなったのよ。さっちゃんと顔が似てたからもしかしたらと思って」

 

 人と人とのつながりというものは不思議なもので面白いところで巡り合ったりするらしい。

 そうして、椿さんが運転する車では椿さんから見た時の妹と妹の同級生、大学の同級生の妹とかいうなんでそのメンバーになったんといった感じの不思議メンバーとなった。

 椿さんはいつも通りそこそこ飛ばすので宮前家には30分かからないくらいで着いた。車内では女子が3人、自分はぼっちみたいな感じになってしまったので自分はこれと言って話すことがなかった。ただ、僕にはよく分からない女子トークが繰り広げられていた。

 その後は、椿さんがお菓子を用意してくれていていろいろ話した。椿さんの未来や日葵の未来も調べてもらった。

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I need you 五月雨もがみ @homurasaku

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