第2話『結婚したのか、俺以外の奴と』でおなじみの倒置法

 皆さん、こんにちは~(あるいはこんばんは~)。


 今回の話のタイトルはご覧になりましたか?

 

 『結婚したのか、俺以外の奴と』


 このセリフは、ゲームアプリ『今夜アナタと眠りたい』のCMで使われたものです。

 そして、現在ネットミームとなっていて、このセリフを使ったパロディも多く創られています。


 では、なぜこのセリフがミーム化したのでしょうか?


 セリフを言った声優の神〇浩史さんの声がよかったからでしょうか?

 それとも、そのイラストの絵がどこかシュールだったからでしょうか?

 

 どちらも正解です。どちらも欠けてはならなかったと思います。

 

 しかし、私の考える答えは違います。


 『倒置法』――これこそが、この短いセリフを聞いた人たちに印象付けるエッセンスなのです。


 もし、このセリフが倒置法ではなかったとしたらどうなっていたのでしょうか?


 『俺以外の奴と、結婚したのか?』


 どこか淡々とした印象を受けますね。

 このセリフを言った人にとって、相手の結婚がそこまで大きな出来事ではなさそうに見えます。


 ショックを受けていることに間違いはないですが、静かに落ち込んでいる感じがします。

 あるいは、少し揶揄っているように感じるかもしれません。


 この事実を踏まえて、本来のセリフを見て見ましょう。


 『結婚したのか、俺以外の奴と』


 倒置法を用いることによって、『俺以外の奴と』という言葉が強調されています。

 それにより、セリフを言った人のショックが印象的になるのです。

 

 倒置法は、倒置された語句を強調する。

 故に、読み手に強く印象に残りやすくなりますし、インパクトも生まれます。

 


 相手の意識に残すにはもってこいの技法ですが、頻繁に使いすぎるのはあまりよくありません。むしろ、逆効果です。


 全ての文を強調して書いたとしたら、その文は本当に強調されていると言えるのでしょうか?

 

 そうなるのを防ぐためにも倒置法を扱うときは、どれか印象深くしたい文を決めてから使うことを意識しましょう。

 

 どうか、くれぐれも多用しすぎてポエマーにならないように気を付けて。

 




 

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