小説をちまちま書いている私による、私とあなたのための創作論
ほっとけぇき@『レガリアス・カード』連載
第1話比喩表現って難しい
小説やライトノベルを書く上で、様々な表現技法を使うだろう。
倒置法、体言止め、比喩、反復。あげていったらきりがないものだ。
今回はその中で、個人的に一番使われていると思う技法を紹介しよう。
それは――比喩表現である。
比喩表現は様々な描写を書く上で、多く使う表現だ。何かを例えたりする上で最も分かりやすい方法と言える。
しかし、それをうまく使いこなすのは難しい。そして、比喩表現には様々な種類が存在している。
今回は比喩表現のうち主に3つにフォーカスする。
①直喩法
これが一番シンプルで使いやすい比喩表現だと思う。
なぜなら、「~のようだ」や「~のように」などを使えば、直喩になるからだ。
例:あの人は、花のように美しい。
彼の心は、ガラスのように繊細だ。
直喩のいいところは、直接例えられていることによって読者が理解しやすいことにある。この強みを生かして、五感に訴える表現を得意とする。
一方で、表現がしやすいことで気付かないうちに多用してしまう。使いすぎるとくどくなってしまうことに注意。
②暗喩法(隠喩法)
直喩法とは異なり、「~のようだ」のような直接的な表現を使わない比喩表現だ。
「直喩法」であげた例文を今度は暗喩法で表現してみる。
例:あの人は、美しい花だ。
彼の心は、繊細なガラスだ。
「~のようだ」を使わずに表現すると、どこか断定的に感じないだろうか?
これこそが、暗喩の強みだ。
あえて断定しきるような表現を使うことで読者にインパクトを与えることが可能である。
気を付けてほしいのは、読み手によって感じる印象が大きく変わること。下手したら誤解されるかもしれないので、そこを頭に入れて使おう。
③擬人法
この技法はその漢字が示すように「人に擬える表現」――つまり、人でないものを人の仕草に例えること。
例:彼女は今にも花に攫われそうだ。
温かな風が頬を撫でる。
花は人を攫わないし、風は手がないから頬を撫でることはない。
しかし、「彼女は儚い」や「温かな風が吹いている」よりも、例文の方が頭の中で想像しやすいはずだ。
擬人法でも言えることだが、多用しすぎないように。何を伝えたいのか分かりにくくなってしまうから。
悪い例:月が眠る暗闇で、花々は踊り小鳥は囀りながら、森がざわめく。
↓
良い例:暗闇の中、森の中にいる生き物が騒ぎ出す。
個人的によく使い、恐らく多くの作家さんが使っている比喩表現。
上手く使いこなせば、きっとあなたの小説はもっと魅力的なものになるでしょう。
ぜひ、推敲する時や執筆する時に意識してみてください。
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