まず始めに、本作はめちゃくちゃ文章がお堅いです。
中学現代文の教科書でお馴染みの「山月記」、あれと同等だと思っていただければほぼ間違いないです。
というか、実質山月記です。
もう一つ、これ結構生々しいホモ展開があります。
苦手な人は本当に注意してくださいね。
これらの点が気にならないというのであれば、本作は実に骨太な背景の、読み応えがある作品です。
一つ一つの表現が実に緻密であり、語り口にふさわしい重厚さが節々から滲み出ており、場の雰囲気から登場人物の子細な心境まで、実に解像度高く伝わってきます。
軟弱な文章ばかりのこのWEB小説界隈において、このように襟元を正されるような気持ちになる文章が書ける方は、なかなかに貴重な存在です。
決して万人受けする作品ではありませんが、間違いなくこの手の作品を求める人はいるでしょう。
そんなニッチなニーズにこたえてくれる、とても貴重な一作品です。
趣味に合うという方、是非ともご一読ください。