久米橋花純@旧れんげ

嘘なんか。

君が、苦笑いをするようになったのは、いつからだろう。

君が、私の目を見てくれなくなったのは、いつからだろう。


それは、私が、君に、噓をついてから、だよね。

取り返しのつかない、噓をついてしまった私に、君は、気づいたんだよね。

最低で、最悪な、あの嘘に。


私の、嘘に気づいたのは、君だけかもしれないね。

でも、その嘘は確実に君を傷つけたよね。

それを直接君から聞いたわけじゃないけど、そうだよね。

私だって、あんな嘘をつかれたら、悲しくなるもの。


どうしてあんな嘘をついてしまったんだろう。

友達数人には、どうにかして、打ち明けることができたけど。

君には、もう弁明なんてできないよ。

私は、君に言い訳する権利なんて、ない。

だから、もう言わずに、一生過ごしたい。

君に、嘘をついた罪を背負いながら、私は生きていかなきゃいけない。


でも、いやだよ。

君には、嘘をついたままでいたくない。

だから、最後に、言わせて。


―――――――――———”嫌い”じゃ、ないよ。

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