家族に嫌われている僕は、Sランクの最強冒険者パーティーに出会う
_____はぁ。自分で何かしないと変わらないっていうのは分かってるけど、誰か、僕をここから出してくんないかな。
チリン、チリリン
来客だ。多分、というか絶対、竜の影の人達だろう。
「使用人!ご案内しろ!」
「承知いたしました。…どうぞ、お待たせして申し訳ありません。竜の影の皆様、ご案内いたします。」
「おう、ありがとうな!」
よかった、いい人そうな人だ。強さにあぐらかいて偉そうにしてる人たちだったらどうしようと思ってたんだ。この人がアルフリード様で、その後ろの優しそうな…お姉さん?お嬢さん…?が、アルフリード様の妹であるリーナ様。そしてユア様、デランド様。
「竜の影様!お越しいただいてありがとうございますわ!今日はわたくしたちの息子、レオルドにお稽古をつけていただきたいのです!」
「よろしくお願いしますぞ!竜の影様!」
この人たちって、こんな丁寧にしゃべれたんだ…ちょっとびっくり。
「分かった。じゃあリーナ、最初はお前が実力を見ながら稽古してやってくれ」
「はーいお兄ちゃん!じゃあレオルドくん?稽古しよっ!」
「はっ、はい!///(この人可愛い///)」
アルフリード様は、リーナ様に指示を出すと、何故か僕の方に近づいてきた。
「な、なにかご用でしょうか?」
「おっと、怖がらせたんならすまん。いやあな、ちょっとこれを訊きたかったんだ。お前、あの元貴族さんたちに似てないか?」
え、どうしてそんなこと聞くんだろう。
「……え、と。似てる、もなにも、僕は一応、息子なんです。あの人たちの。今はお金がなくなって、息子の僕を使用人にするしかないようですが…。」
僕は躊躇ったが、この人は信用できると思って、簡単に話した。
「そうだったのか。って、は??息子を使用人って、頭可笑し…ごほっごほ、これまた凄いことをするもんだな」
今頭可笑しいって言いかけたな、アルフリード様。ちょっと面白い。一瞬「不敬なんじゃないか」と思ったけど、アルフリード様はただの平民である僕たちよりも地位が高い人だからいいか。
「…クズなんですよ、僕の家族」
「そうか、そうだな」
そう言うと、アルフリード様は神妙な顔をして考え込んだ。かと思うと一分ほどで何かを閃いたのか、顔を上げて、僕をじっと見た。
「…なんでしょうか」
「お前、俺と来ないか?」
「はぇあ??!」
いきなりなんてことを言うんだ、この人は?驚きが一周回って冷静になってきたよ。今日初めて出会った他人の僕に、そんな親身になってもいいものなのかな。
「理由を訊いてもいいですかね…」
「虐待は良くない。お前のような子供が、家族のせいで未来を奪われていいはずが無いんだ。今、この状況でお前を救えるのは俺ぐらいしかいないだろ?だからだな。」
「そう、ですか」
確かに、この状況で僕が縋れる先は、アルフリード様、竜の影の皆様しかいない。
…けど、迷惑になるんじゃないのかな。それに、さっきは信用できると言ったけど、僕はアルフリード様たちを信頼しきれていない。優しいことを言って騙して、人を利用しようとする人間なんていくらでもいるから。
「言っておくが、俺に下心なんて一切無いぞ?まあ、お前と年が近いリーナの話し相手になってほしいというちょっとした願望はあるが…」
アルフリード様はキリッとした顔でそう言った。
なにそれ、この人面白いな。なんか「キリッとした顔でそれ言うの」みたいな面白さ。…まぁここにいてもどうせこき使われたまま死ぬんだし。この人になら、ついて行ってみるのも面白いかもしれない。利用しようとしていたんだったらそうだったんだなで済ませよう。そのあとのことはそのときに考えればいい。
「アルフリード様。是非、その提案受けさせてください。」
「おお!良かった、ありがとうな!これからよろしく」
アルフリード様が右手を差し出したので、僕は笑顔でその手を取った。
「はい。こちらこそよろしくお願いします」
やっと二話目書き終わりました…
思いつかない&私生活が忙しかったため、更新少しどころかだいぶ遅れてしまいました。申し訳ないです
もちろん今からも土日に書き溜め頑張りますが、冬になったら長期(長期と言うほど長くないかもしれないです)の休暇に入るので、更新きっと潤わせられるかな~と思っております。
ここまで読んでくださってありがとうございます。
これからも、至らない作者と至らない作品をよろしくお願いいたします。
次の更新予定
隔週 水曜日 17:00 予定は変更される可能性があります
家族に嫌われている僕が、Sランクの最強冒険者パーティーに育てられて冒険者になるっていうよくある話 むめい @11-631
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。家族に嫌われている僕が、Sランクの最強冒険者パーティーに育てられて冒険者になるっていうよくある話の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます