「外堀から埋める」というラブコメの王道かつ極端なアプローチ

「外堀から埋める」というラブコメの王道かつ極端なアプローチを突き詰めた、非常に爽快感のある作品ですね。

主人公が、高嶺の花であるヒロイン（S級美少女）本人にアタックするのではなく、まずは彼女の家族（両親や兄弟）の信頼を完璧に勝ち取ることで、逃げ場のない「公認の仲」を作り上げていく物語です。

普通のラブコメなら「お父さんに気に入られる」程度で終わるところを、本作の主人公は家族一人ひとりの悩みやニーズを的確に把握し、圧倒的な「有能さ」と「誠実さ」で攻略していきます。読んでいる側としては、「これもう実質家族の一員じゃん！」と突っ込みたくなるスピード感がたまりません。

最初は冷淡だったり、警戒していたりする「難攻不落」なヒロインが、自分の知らないうちに家族全員が「主人公派」に寝返っていることに困惑し、次第に居場所をなくして（？）デレていく過程が非常にニヤニヤできます。


単なる策士ではなく、家事能力や気配りなど、人間としてのスペックが非常に高い点も魅力です。家族が彼を好きになることに説得力があるため、ストレスなく読み進めることができ大変面白いです。