部下の息子とピロリロリン♪

部下の息子とピロリロリン♪

いや〜、うちの洗濯機がね、最近どうも調子悪くて。

脱水のときに「ウィィィ…ガコンガコン…プスン」って止まるんですよ。

もう、あれです。長年の相棒が限界を迎えた感じ。

で、業者さん呼んだんですよ。

そしたら見た瞬間にこう言われました。

「……あ〜、これはもう買い替えですね」

あの、医者が余命を告げるテンションで。

で、数日後に新しい洗濯機が届きました！

ピカピカでね、未来感すごいの。

で、取り付けに来てくれたのが……なんと！

私の部下の息子さん！

びっくりしてね、「あら〜！いつもお世話になってます！」って挨拶して、

向こうも「母がいつもお世話になっております」って丁寧に。

お互い、妙にかしこまっちゃってるわけですよ。

で、作業が始まって、設置も順調。

最後にその子が丁寧に説明してくれるんですよ。

「このボタンで動きます。で、このボタンを押すと止まります」

……で、ピッと押した瞬間、

部屋中に「ピロリロリン〜〜🎵」って軽快なメロディーが鳴り響いたんです！

私、「あ〜！すごいなぁ！最近の洗濯機って終わったら音で知らせてくれるんやね〜」

って感動してたんです。

そしたら彼、めっちゃ出にくそうにポケットまさぐって、

スマホ取り出してこう言いました。

「……すみません、　はい、もしもし⚪︎⚪︎です。」

その瞬間、

空気が“脱水モード”に入りました。

シーン……って。

彼、笑いこらえてプルプル震えてるの。

私は必死に「なるほどね〜ハハッ…」って言いながら恥ずかしさで顔引きつってるし。

で、作業終わって帰る時、

私が玄関で小声で言ったんですよ。

「さっきの勘違いのこと、お母さんには内緒でお願いします」って。

……はい、もちろん。

⸻後日

彼は秒でお母さんに電話していました。

「ちょっと聞いて！オカンんところの上司の人がね〜！」って。

二人で爆笑していたらしい。

あれ以来、“ピロリロリン〜♪”聞くたびにお互い、笑い止まりません。

この話は上司の会社では知らない人はいない。