言葉マッピング
倉木未知
1.言葉ってなに
「私の名はブン・ガク。この不連続二次元空間にて研究員をしている。」
「まずはここがどんな場所か説明しよう。」
そう言うと彼は机から眼鏡を取った。
「4行上ではこの空間には私しか存在せず、机も眼鏡も無かったはずだ。しかし言葉次第で机や眼鏡が生まれる」
「つまりこの小説ではなんでもありということだ。」
「この先『これは小説なのか?』と思うこともあるだろう。だかブン・ガクというキャラクターが言葉について考え、どんなものだと思うかについて話している。これは小説ではないだろうか?」
長々と続いた
「ではこれから「言葉」とはどんな形をしているのか調査していこう。」
そう言うと彼の声だけが聞こえる真っ黒な空間に移り変わった
私は「言葉」について知るために、似たような意味を持ちそうなものを挙げてみようと思う。
「言語」「文字」などを思いついた。
イメージの話ではあるが言葉と言語は近い意味合いのようであるが文字と言葉は関連が無いように感じる。
では実際に使う例から考えてみよう。
「衝撃の出来事に言葉が出なかった。」
このように書くと言語と言葉に近い印象を受ける。
「衝撃の出来事に言語が出なかった。」
前言撤回だ言語と言葉は違う。
ここで私は考えた。言語とは言葉にとっての方法だろう。
Good morningもおはようも同じ言葉ではあるものの言語は異なる。
では文字はどうだろうか
「この想いを言葉にする」
「この想いを文字にする」
やはり言葉では発声している場面が思い浮かび、文字では文章を書いている場面が思い浮かぶ。
しかし小説などにおいて手紙を書く場面、「想いを言葉にできなかった」などと書いてあれば適した文字が書けなかったことを表せるのではないだろうか?
言葉の中に文字は含まれるが言葉は大きすぎるため同じものとは言えないだろう。
ここでひらめいた。
頭の中で思い浮かべたものが既に「言葉」なのかもしれないと。
人は「人の言葉」を使って考えるが文字であろうと口語であろうと
文字を使って頭の中に思い浮かべられたもの
すべてはその発信方法を問わず言葉と言えるのではないだろうか。
まだ曖昧ではあるが「言葉」とは何か少しつかめた。
今日の研究はここまでとしよう。
これを最後まで読む特異な皆様も「言葉」とは何か考え、伝えてくれ。
考えたあなたはもう研究員の一員だ。
言葉マッピング 倉木未知 @10maru
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