アクメビームの謎を追え 解決編
ついに何の進展もなく幾日かが経過した。今の時点で判明しているのはボアコンストリクターは一度アクメビームマグナムで「オナニー」したことがあるだけであり、それは死ぬほどどうでもいい情報だった。事件関係ないし。
転機が訪れたのは、前取締した日から2週間が立っていた。なんでも、事件が起こった日にあの部屋から見える木に止まっていたフレンズがいる、という話が情報筋から流れてきたのである。
「よし!ようやくまともに取り調べができる!行くぞ、ティラコレオ!」
「当たり前です!行きましょう!」
◯
容疑者とは、殺人事件が起きた現場で話を聞く算段になった。無論ボアコンストリクターの差し金だ。
しかし、事情聴取の日わたしはものの見事に大遅刻をぶちかましてしまい、現場についた頃にはよくわからない、なんとも言い難い、渾身のギャグが滑ったような空気が流れていた。えっ?これってもしかしてわたしのせい?
ボアコンストリクターはわたしを部屋のスミに呼び寄せ、一通り説教をかましたあと、困ったように多分こいつ犯人じゃない。けどこいつ以外やれる人いないし・・・みたいなことを言った。
ボアコンストリクターから借りたメモ書きには、オオモズ・・・・〜〜〜〜
なんか書いてあるけど、取り敢えず言われたことが、書いてあるんだろう。汚ったない字だから取り敢えず読み飛ばした。
「あの・・・」
「なんですか?」
物腰は丁寧な子だ。全身白い狩衣みたいなの着てるし、なんかこう可憐さがある子である。確かにこんなフレンズがけつ毛が生えてるような無骨な尻にマグナム突きつけるとは思いづらい。いや・・・やってたらそれはそれで面白いかもしれん。が。
「あの・・・僕!本当にやってないんです!信じてください!」
うーん。これは確実にやってない。というかこんな可憐な子にアクメビームなんて言っちゃいけない。うん。
「僕・・・流石にマグナムにまでは手を出してません・・・アクメビームライフルしか使ったことないんです!」
「ボアコンストリクター。多分やったのこいつっすよ。」
「おっ、そうだな(適当)」
「ちょっと!ちょっと!待ってくださいよ!」
「は?だって使ってんでしょ?ライフル。」
「それは・・・」
「オオモズ!いいか!アクメビーム兵器は!フレンズが使うようなものではないんだ!わかるか?本来は使ってるやつをホバクしなければ・・・・」
お 前 が 言 う か
「というかですね。銃から僕の指紋は出なかったんですよね?」
「ああ。」
「なんなら、みみのりさんの指紋がでたんですよね?」
「まぁ・・・はい。」
「「じゃあ!犯人わかってるじゃないですか!!」」
「しかしねぇ・・・アクメビームマグナムはケツアナに差し込めないのだから。」
「知らないですよ。そういうことを考えるのがそちらの仕事でしょう?」
「図星っ!」
う〜ん。これは完全に行き詰まったぞ・・・。わたしは欠伸をした。取り調べ中にあくびをすると毎回ボアコンストリクターに怒られるから反対側を向き窓の方を見てなるべく音を立てないように欠伸した。これもこの仕事やっていく上では重宝されるスキルである。
「おい、貴様!今あくびしたな?」
「え?なんでバレました?」
ボアコンストリクターは呆れた顔をして答えた。
「窓ガラスの風景が姿見に反射してるんだ。ま、普段からこっそり欠伸してるのは築いていたけどな。」
ん?待てよ・・・もしや・・・そういうことか!
「どうした?急に笑いだして。気持ち悪いぞ、」
「この事件、わかりましたよ。」
◯
大体のあらましはこんな感じです。この窓ガラス、妙に反射率が高いんです。そして反射した先には鏡。つまり、正面に撃ったビームはネジ曲がって撃った人の後ろに直撃するようになる。
「なるほど・・・でも、だとしたらみみのりはどこにビームを撃とうとしたんだ?何もないところにこんなもの撃ち込んでも面白くないと思うが?」
確かにそうです。ただ、みみのりが死亡した時刻、たしか窓の外の木にだれか、フレンズがいましたよね?
「まさか・・・わたし?」
そういうことです。
「なるほど・・・、つまりみみのりは窓の外にいるオオモズを撃とうとして窓で反射して姿見で更に反射し、たまたまケツアナ確定してしまったということだな。」
「まぁ、そういうことになります。」
ボアコンストリクターはホバクする人がいない事実にやや不満なようだったが、事件はこうしてみみのりの自爆として終わったのであった。
終
アクメビーム殺人事件 みみのり6年生 @miminori6
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