アクメビーム殺人事件

みみのり6年生

アクメビームの謎を追え 推理編

「死因はアクメビーム?」


いや、それは冗談でしょう?と半笑いで語りかけたティラコレオの横顔をボアコンストリクターは一瞥して黙らせた。


「司法解剖の結果、死因はイキスギによる脱水症状によって死亡したことは明らかだ。」


どう解剖したら、イキスギてたってわかったんだよ。という小声でしたツッコミに対して、アクメビームを尻に喰らったのか前立腺が肥大化していた。とボアコンストリクターは丁寧に説明した。


「ひどい死に方だぁ・・・」


こんな死に方するんだったら、まだ痛くてもいいからセルリアンに殺されたほうけものの祈りがマシである。閑話休題


わたしは事件の概要が書かれた紙に目を落とした。


被害者  みみのり6年生


・・・どっかで見たことあるような名前だなぁ・・・。


死因 アクメビームマグナムを尻穴に直撃したことによる体液噴出による脱水症状


「何が面白い?」


ティラコレオは小刻みに体を揺らしながら答えた


「いやw・・・wwっちょ・・・いや・・・プぷっ・・・」

「だから何が面白い!?」

「っす〜。いや、イキスギて逝っちゃったってのを真面目に書くとこうなちゃうのか・・・って。」

「???、どういうことだ?」

「羽目を外してハメまくり。ってことですよ。」

ボアコンストリクターは納得していないといった顔で

「?よくわからんが、そういうことか?」

「まぁ?そんなところです。」


兎に角、その話はいいから調査するぞ。ボアコンストリクターは都合の悪い話を遮るように話題を終わらせた。この顔は仕事モードだ。


「ねぇ、ボアさん、これ、本当に他殺なの?」

「あぁ、他殺ということになっている。」


普通に誰か人を頃すときにわざわざアクメビームマグナムなんて使うかねぇ・・・

普通に後ろからナイフでもなんでも刺した方が・・・


「アクメビームマグナムは感度を通常の3倍にした上でアクメにイかせるビーム系兵器・・・。充分殺傷性に満ちていると思うぞ。」


・・・。そういう話じゃないんだけどなぁ・・・


「てか、アクメビームマグナムってどこで売ってるんですか?」


「なんだ。見たことないのか?」


逆にあるの!?


「今回の事件に使われたのは、資料の4pに写真がある。ほら・・・」


そこにはあの皆さんご存知ビームマグナムの画像が写っていた。あ、これ「アクメビーム・マグナム」じゃなくて「アクメ・ビームマグナム」なのね。


「このサイズともなれば、自分の尻穴に入れても、引き金にはどうやっても手は届かない。となれば、誰かが尻穴に向かって撃ったのだろう。」


ボアコンストリクターは、まるで経験したことがあるように語った。


「・・・もしかしてですけど・・・使ったことあります?」

・・・。・・・。・・・。・・・。・・・。

「・・・あるわけ・・・ないだろう(恥)」


・・・。あ〜、うん。深くは追求しないでおこう。


「ともかく、ビームマグナムは、自分で自分のけつあなには撃てない、と。」


資料には確か、事件が起きた日、この部屋に入ったのはみみのり6年生だけだという話だった。音声テープ(何故か監視カメラはない癖に音声テープは回してる。変な人)にも本人の足音とイキ声(ある意味逝き声)しか残ってなかったという。


となると。窓から隙を見計らってケツにビームぶち込んだあと、逃げたのだろう。


だとしたら、なんでビームマグナムはこの部屋にあったんだ?う〜む。



わたしは部屋の窓に駆け寄った。窓の外には鳥のフレンズが腰掛けられるほどの樹が立っている。


窓を覗くと反対側に姿見があるからだ。窓から顔を背けて、一人恥じて、顔を赤らめているボアコンストリクターが姿見を反射して、窓ガラスに写った。


すごいいたたまれないんですけど。


〈解決編に続く〉






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