第23話 苦痛
ドゴォォォォォン
扉は壊され、煙が舞って視界が霞む。
ヴォイド:「こいつの隠力膨大すぎるです。2人とも気をつけてです」
???:「ここがこの建物の中心か?ここならあるかな」
煙が晴れていき、徐々に敵の姿が見える。
筋骨隆々とした以上に大きい体と緑色の瞳、そして溢れんばかりの隠力。
間違いない
???:「なんだ?まだ虫けらが残ってたのか」
アルバ:「お前、
まだ
???:「よく知ってるじゃねぇか!俺はドロル、"苦痛"のドロルだ」
レイス:「へぇ、素直に名乗ってくれるなんてな」
ドロル:「誰か知らないまま殺されるのはお前らも嫌だろ」
レイス:「レイス。俺はレイスだ」
ドロル:「別に虫けらの名前なんてどうでもいいんだけどな」
レイス:「今からぶっ飛ばされるんだから名前覚えといた方がいいんじゃねぇのか?」
アルバ:「ハハハハ、確かにな!俺はアルバだ!覚えとけ!」
レイスお得意の煽りにドロルはまんまと引っかかり怒り出す。
ドロル:「虫けらは駆除しないといけないな!」
ドロルの右手が徐々に肥大化する。
そしてその巨体からは考えられないスピードでレイスに突っ込んできた。
その予想外のスピードに一瞬レイスの思考は鈍る。
(やばい...反応が遅れた)
影から影への移動を試みるが避けれそうにない。
アルバ:「レイスーー!!」
ヒラヒラ ピタッ
シュンッ
間に合わないと思われた影の移動がギリギリのところで発動する。
ドロル:「なんだ、消えちまったのか??」
ドロルは確実に捉えていたはずの標的が目の前から消え混乱する。
アルバ:「よく今の間に合ったな!!」
レイス:「俺の力じゃない...何かが俺に力をくれた...」
ヴォイド:「今のは危なかったねです」
アルバ:「おいレイス!お前背中にヴォイド先輩の札がついてるぞ!」
レイス:「まさか」
ヴォイド:「ミーがサポートするよです」
レイスの想像通り、ヴォイドの呪符の能力でレイスの身体能力や反応速度、集中力、隠力、あらゆるステータスが底上げされていた。
ヴォイド:「アルバ君にもです」
ペタッ
アルバ:「うわっ、めっちゃ力が湧き出てくる!ありがとうございます!」
ヴォイド:「ハッキリ言うけど君たちじゃあいつには勝てないです。ミーの呪符があっても恐らく勝てないと思うです。だから、副隊長に呪符を通して救援要請を送ったです。どうか副隊長が来るまでは耐えてです」
アルバ:「勝てないって、ほんとにハッキリ言うんすね」
レイス:「ヴォイド先輩の言う通りだ。ドロルの力はミレネの比じゃない」
ドロル:「お話が長いんじゃないか?何を話してたんだ?」
レイス:「敵に教えるわけないだろ。体はデカイのに脳は小さいんだな」
ドロルはまた簡単な煽りに乗って激情する。レイスの言う通り、確かにドロルの脳は小さそうだ。
うっ...ぐっ...
左手と両足も肥大化し、おでこからは鋭い角が2本生えてくる。
バブル:「何あれ...あれじゃまるで鬼じゃない」
ドロル:「グウォォォォォォォ!!!」
ヴォイド:「とてつもない隠力だです!!」
アルバ:「行くぞレイス」
レイス:「あぁ、足引っ張んなよ」
アルバは手に光のグローブを生成し、レイスは影で作った刀 "影刃" を作り出す。
そして2人は勢いよくドロルに向かい走り出す。
ドロル:「虫ケラァァァァ」
アルバに向かって大きな拳を振り下ろす。間一髪のところでその拳を躱す。
レイスに対しても右足で蹴りを入れようとするが、影をつたって背後に回り込まれる。
ドンッ!
スパッ!
アルバは顎に強烈なアッパーを、レイスは首元に影刃で斬りつける。
ドロル:「なんだ今のは?痒くもないぞ」
アルバ:「嘘だろ!」
レイス:「どんだけ硬い皮膚してんだよ!」
バブル:「2人とも危ない!!」
ドロルが右腕を大きく振り回し、アルバとレイスは吹き飛ばされる。
アルバ:「ぐはぁっ!!」
レイス:「クッ!」
ドロル:「死んでないだろうな??まだまだ"苦痛"ここからだぞ」
アルバ達に立ちはだかる
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます