第22話 一方司令室では...

ヴォイドの能力で呪符からリアルタイムで映像を空中に投影し、ゼラノスとネメシスの戦いを司令室で観戦する一同。


バブル:「えっ嘘でしょ隊長...隊長が敵の能力者倒せないなら誰が倒せるのよ!!」


気楽に観戦していたバブルは状況が悪化するほどに心情が安堵から不安に変わり、最終的にはゼラノスにブチギレている。


レイス:「隊長だって普通の能力者と比べたら立っている次元が違う。けど、ネメシスってやつの業が初見殺し過ぎたんだ」


レイスは悔しそうに拳を握りしめている。


ヴォイド:「隊長で勝てないとなると、現状本部内で奴に適う隊員はいないってことになるです...」


ヴォイドの一言に本部の隊員たちは死を覚悟する。ある者は近くにある紙に遺書を書き、ある者は神に祈りを捧げる。

そんな中ただ一人、アルバだけが黙ってゼラノスの戦いを見続けている。


映像の向こうでは隠力がほぼ尽きかけているゼラノスにネメシスの6本の触手が襲いかかる。


レ.ヴ.バ:「「「隊長ーー!!!」」」


レイス、ヴォイド、バブルは声の限りに叫ぶ。


バキッ、ブツッ、ビリリリ


問題なく投影をし続けていたヴォイドの呪符が急に破れる。


レイス:「どっ、どうなったんだ??」


バブル:「ヴォイドのバカーー!なんで切っちゃうのよ!」


ヴォイド:「ミーは切ってないよです!隊長の部屋にいた札が急に消えたんだです!だから、こっちの受信してた札も破れちゃったんだよです!」


ゼラノスの部屋で一体何があったのか。

ゼラノスは果たして無事なのか。

司令室はざわつき始める。


本部の隊員A: 「緋縅の隊長もやられたんじゃないか?」

本部の隊員B:「じゃあ俺らもいつか殺されるんだ...」

本部の隊員C: 「俺はまだ親孝行できてないのに」


ざわざわざわざわ


アルバ:「誰を心配してんだ!今戦ってんのはゼラノス隊長だぜ!会ってまもない俺でも分かる。あの人はあんな奴に負けねぇよ!」


アルバが一喝して部屋の負のムードを薙ぎ払う。


ヴォイド:「アルバ君の言う通りです。映像は途切れたけど、隊長の生命反応はまだ確認できるです。逆にネメシスの生命反応が一転してかなり弱々しくなってるです」


先程まで圧倒的不利な状況だったのは全員自分の目で見て把握していた。あの状況から形勢を逆転させるなど可能なのだろうか。アルバ以外の全員がヴォイドの言葉を疑った。


アルバ:「やっぱりな!隊長が負けるなんてありえねぇ!」


ヴォイド:「やばいです!!!」


急なヴォイドの声に全員の視線がヴォイドに集まる。


バブル:「いきなり大きな声出してどうしたのよ?トイレに行きたくなったの?」


ヴォイド:「2つほど伝えることがあるです。1つ目は隊長と戦っていた敵が急にその空間から消えたです」


レイス:「死んだとかではなく消えた?どういうことですか?」


ヴォイド:「もし死んだなら微かでもその場に残っている力を感知できるはずだけど、一瞬で何も感知できなくなったんだです。逃げたと見るのが正しいと思うです」


アルバ:「じゃあもう1つの伝えることってなんすか?」


ヴォイド:「ここに能力者が向かってきてるです」


司令室の雰囲気が一変する。


バブル:「ならアンタのトラップでやっつけちゃいなさいよ!」


ヴォイド:「起爆させても敵のスピードが全く落ちないんだよです」


レイス:「五重夜ペントニクス...俺らでやれると思うか?」


アルバ:「なんだ弱音か?それなら俺一人でやっちまうぜ」


アルバの相変わらず緊張感のない発言にレイスは鼻で笑う。


レイス:「マヌケ、お前が弱音を吐いたら敵より先にお前をやっちまおうと思ってただけだ」


感知が不慣れなアルバとレイスでも分かるほどの距離まで敵が迫ってきている。


ヴォイド:「まさか2人とも戦うつもりじゃないよねです??」


バブル:「隊長を追い込むほどの敵なのよ!」


アルバ:「じゃあ倒せば俺らは隊長くらい強いってことっすね」


2人はもう先輩たちの言葉に聞く耳を持たない。


ヴォイド:「ミーの"目覚め"は対面の戦闘に不向きだし、バブルさんもヒーラーだです。先輩として恥ずかしいけど今は君たちが頼りだです」


アルバ:「うっす!」

レイス:「はい!」


ドゴォォォォォン


固く閉ざされていた司令室の扉が破られた。

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