第15話(加筆済み) 憧れのお姉さんと再会
――――【哪吒目線】
志麻姉ちゃんは俺が途中で体調を崩したとか適当な理由をつけて、彼女のテリトリーである保健室まで俺を連れてきていた。
流石に学校で養護教諭やってる人間が妙な真似をすることはないと思い、懐かしさも相俟って彼女についていってしまった……。
「えっ!? こ、これは……」
「何を驚いてるんだ? ダンジョン探索に関わる学科がある学校なら普通だろう」
中に入るとそこは保健室というより診療所……いやもっと先端の医療施設みたいだ。
広さは教室三つ分くらいある。左は病床、右は手術室っぽく、今俺たちがいる真ん中だけが普通の保健室に近い造りだった。
「でも廃止されたんじゃ?」
「撤去するにもそれなりの費用がいるんでな。それに……私が研究で使うため残してもらってるんだ」
志麻姉ちゃんは医師免許に教員免許、それに機械工学の博士号まで持ってる才媛だと聞いている。頭が良すぎて、未成年の俺を襲ってしまう倫理観に欠いた人だけど……。
彼女に促され、席に腰掛ける。保健室の洗面所は給湯室みたいになっており、そこの電気ケトルから湯気が上がると志麻姉ちゃんがカップに注いでいた。
俺の座る席の前のテーブルまで持ってきたが置く途中で手が止まる。
「まあ、積もる話もあるだろう。コーヒーでも飲め。おっと手がないんだったな、済まない」
「いいよ、もう慣れた。そこに置いて……って」
靴を脱ごうと前屈みになると視界を塞がれる。志麻姉ちゃんのふくよかな胸元が俺の顔に当たっていたのだ。
「志麻姉ちゃん、当たってんだが?」
「ああ、わざと当てている」
「熱湯持ってるのに危ないだろ」
「ああ、もしこぼして湯が掛かりでもしたら私も哪吒も衣服を脱がないとならないからな」
いちいち変な方向に持って行きたがる志麻姉ちゃんは相変わらずだ。
「おっと大事なことを伝え忘れていた。哪吒が私で童貞を捨てたときより
「思わない、思わない」
ぽむぽむとセルフで揉んでアピールしてくる。俺が中学生だったときからデカかったが、健全な学生の前でやっていい仕草じゃない。
「しかし残念なことに母乳は出ない。だから今日はミルクコーヒーは品切れだ。もう見飽きたかもしれんが哪吒が私の乳房を見たいということならミルクを入れる仕草を実演するが?」
「残念なのは志麻姉ちゃんだよ」
志麻姉ちゃんは外国人が呆れたときにやる両方の手のひらを上に向けるポーズを取る。
それじゃ、何か俺が呆れられてるみたいじゃないか!
「私が飲ませてやる。哪吒は座ってろ」
「いや何で志麻姉ちゃんが飲んでるんだよ」
志麻姉ちゃんは俺に差し出そうとしたカップを彼女の口元に寄せるとコーヒーを口に含んでいた。
「
「だったらいらねえ」
断ると志麻姉ちゃんはコーヒーを嚥下すると、俺に身を寄せてくる。
「何だ? 今更遠慮する仲でもないだろう」
頭が良くて、美人で、プロポーション抜群なのに来る縁談の数々をすべて断って、俺なんかに執着してくる……。
俺はスキンシップ過剰気味の志麻姉ちゃんに呆れて席を立とうとした。志麻姉ちゃんはびっくりしてバランスを崩した。
「おっ!?」
ヒールが滑って志麻姉ちゃんが尻餅をつこうとするが、熱湯コーヒーの入ったカップを手にしておりそのまま転べば大火傷は免れない。
間に合えっ!!!
【
スキルを発動させると他人には不可視の腕が出現し、志麻姉ちゃんの背中とカップを持った手を支えた。
「なんだ? 何が起こった? 私は今バランスを崩し、転びそうなった。だがこうやって哪吒の前に立っている。しかし今は哪吒にコーヒーを飲ます方が先決だろう」
良かった。
【神の見えざる手】を使ったことはバレていない。
「どうだ? 私から飲ませてもらうコーヒーは旨いか?」
「ああ、ありがとう。旨……い……よ。あれ、何かすげえ眠くなって……」
日中にも拘らず、瞼がどんどん重たくなってきて、身体が前後にゆらゆら揺れる。
「おやすみ、哪吒。良い子過ぎるんだよ、おまえは……」
完全に瞼が閉じきる前に志麻姉ちゃんは俺に呟いていた。
バイタルサインを計測する機械の音で目が覚める。意識が戻ると俺は手術用と思しきベッドに寝かされ、上半身を裸にされていた。
なっ!?
「おはよう、哪吒」
更に視線を下げると志麻姉ちゃんが俺の腰の上に跨がっている。
「志麻姉ちゃん!? これは?」
「見違えたよ、やはり中坊とは訳が違うな。すっかり逞しくなって……哪吒に惚れ直した」
俺の胸元を愛おしそうにさすってくる。志麻姉ちゃんの柔らかい手触りに気持ち良くさせられ、下半身が興奮してくる。
「またこんな私で興奮してくれるなんて、哪吒は優しい奴だな。私が睨んだ通り哪吒はツンデレだ」
「ちがっ、俺はこういうことは……」
「我慢してた。哪吒がゆきと付き合うと知って。だがもうゆきに遠慮する必要はない」
「知ってたのかよ……」
「当たり前だろう。私は哪吒のストーカーなんだから……」
俺は思わず志麻姉ちゃんに初めてを奪われた日を思い出してしまう。
暑い夏の日だった。
父さんは仕事、母さんは雛子と一緒に買い物に出かけていた。
俺が独りで縁側でミルクアイスを食っていると学校から帰宅した志麻姉ちゃんがやってきて、いきなり俺のアイスにかじりついた。
『志麻姉ちゃん、何すんだよ。俺のアイスだったのに行儀悪いって』
そんなに食べたいなら冷凍庫にあるからと指差したが志麻姉ちゃんは……。
唇についた溶けたアイスを舌舐めずりして拭っていた。その仕草がとても色っぽくて学生が出していい色気じゃなかったことを覚えている。
『また告られた』
『ふーん、今度はどんな人?』
『なんかサッカー部のキャプテンでクラスの女子はそいつが来ただけでイケメンとか言ってキャーキャー黄色い声で発情してた。どうも将来はサッカーリーグに入団が決定してる有望株らしい』
発情って……志麻姉ちゃんらしい表現だななぁ、と子どもながらに思っていた。
『付き合うの?』
『馬鹿を言え。私がそんな奴と付き合うと思ってるのか? まったく哪吒には残念だよ』
『何で俺が残念に……』
なるんだよって、志麻姉ちゃんに抗議しようと思ったときだった。姉ちゃんは俺の両手首を掴むとそのままゆっくりと体重を掛けてくる。
いくら華奢な志麻姉ちゃんでも子どもの俺に抗える訳がない。俺の背中は縁側の板をはみ出して、家の畳にまでついていた。
『志麻姉ちゃん?』
『私が誰のものかはっきりさせておかないといけない。どうでもいい男に話し掛けられるのすら嫌なんだよ』
ふーっと俺の耳に吐息を吹きかけるように囁いてくる。
志麻姉ちゃんの学生らしからぬおっぱいが俺の胸元に当たっていた。
俺が風呂に入っているとバスタオル一枚を巻いて入ってこようとしたときに見えた姉ちゃんの谷間……。下手をすれば俺の母さんよりも大きいかもしれない。
柔らかいおっぱいの感触に加え、さっきの志麻姉ちゃんのエロい仕草で俺の下半身は半ズボンの中ではちきれんばかりに膨らんでいた。
志麻姉ちゃんは股を俺に押し付け膨らみを責め、いじめてくる……。
『あう……』
『苦しいか? ならば良い方法を教えてやろう。この隙間へ滑り込ませれば楽に……いや気持ち良くなれるだろう』
志麻姉ちゃんは立ち上がるとパンツを脱ぎ、真っ白な素肌を俺に見せつける。何故かぐりぐりと股を押し付けられていたときよりももっと苦しくなった。
『哪吒に見られてると私も興奮するようだ』
俺の半ズボンに黒い染みがついていた。
『おっと済まない。私がお漏らししたせいで哪吒のズボンを汚してしまったらしい。私が脱がしてやるから大人しくしていろ』
志麻姉ちゃんは半ズボンのホックを外しファスナーを下げる。
『志麻姉ちゃん、やっぱり待って!』
『待たない』
非情とも取れる宣言で志麻姉ちゃんは俺の半ズボンをパンツごとずり下げてしまう。逃げようにもパンツと半ズボンがちょうど膝の位置にあり、足が動かせない。
『さて、哪吒。これから何をするか考えてごらん』
『なんだろう?』
まだちゃんとした性教育を受けてなかったときのことだ。今思うと志麻姉ちゃんは俺に考えさせて隙を作っていたのだろう。
『はあっ、はあっ、哪吒と繋がったよ』
『えっ!?』
俺の意識がはっきりしたときだった。
コンデンスミルクみたいなのが志麻姉ちゃんから……。
『ふふっ、哪吒にマーキングされてしまったみたいだな。これで私は哪吒のものになった。おまえがすきなときに使っていいんだぞ』
そう言って、志麻姉ちゃんはスカートを捲りパンツを履いてない下半身を俺に見せつけきていた。
『哪吒く~ん、遊ぼう』
『ゆき!』
玄関からゆきの声がした。
『もう終わりか……せっかく良いところだったのにな』
少し切なそうな表情になった志麻姉ちゃん。俺に背を向け、溜め息混じりにパンツを履く姉ちゃんが色っぽくて、慌てて履いた半ズボンが窮屈で仕方ない。
俺はぎこちない動きで廊下を走り転びそうになりながらも何とか堪え、玄関を開けた。
『ゆき!』
『哪吒くん! 遊ぼ』
『うん、俺はいいけど……』
後ろに気配を感じるとゆきが声を上げる。
『志麻お姉ちゃんも来てたんだ……』
志麻姉ちゃんが柱に手をつき、俺たちを見下ろしていた。
『ああ、まあな。ゆき、冷凍庫にアイスがあるらしい。私がもらったものだがゆきにやる』
『ホント!?』
ゆきは台所の冷凍庫へ向かっていった。
『ふっ、同年代に比べマセてるが、まだまだゆきも子どもだな』
志麻姉ちゃんは俺に身体を寄せ、強引に唇を奪ってくる。
『私はまだアイスの残り香があるこちらの方が好きだな』
夏の暑い日の出来事が頭に過り、志麻姉ちゃんが俺の首筋を舐めたときだった。
ニャーーーン♪
尻尾の長い赤猫が保健室に入ってくる。
「え?」
「たま、良いところなのに……おまえは主人の恋路の邪魔をする悪い猫だな」
俺から降り、ベッドから離れた志麻姉ちゃんはキャットフードを餌入れに出してたまと呼ばれた赤猫に与えていた。
たまの両方の前脚は銀色に鈍く光る義足だったが、まるで本物の手足かと思うほど有機的な動きをしていた。
――――【アリシア目線】
哪吒くんが退校処分にされてしまったあと、私たちはダンジョンを探索していた。
「くそっ! 今日はやけにモンスターどもが強いな。こんな雑魚に手こずるなんて、おまえらちゃんと仕事してねえだろ。サボんなよ!」
颯真はさも私たちメンバーの責任みたいに言って怒りを露わにしていたが、その実彼は何も分かってないことが判明した。
今までダンジョン探索がスムーズに行えたのは日向くんがいたからなのに……。
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