第14話 童貞を奪ったお姉さん
○股間児 5分前
ゆきたん彼氏持ち?
○ヤっちゃえ出産 3分前
NTRサイコー!
○フーゾク・ネトラレスキー 1分前
下半身冷えてきてる
あくしろ!
○衣冠太郎 30秒前
寝取りなんてけしからん!
いいぞ、もっとやれ
○ダンジョン灰人者 15秒前
やっぱ颯真くん最高だわ
●⇩ダンジョン神配信者ソーマさんにより固定……
@ダンジョン神配信者ソーマ 0秒前
彼氏くーん! 今からおまえの大事な大事な箱入り彼女いただきまーす!
―――――――――――――――――――――――
スマホの画面をチェックするとメンバーシップ限定のNTR配信を期待するコメントに溢れてた。たまにひでえとか、女優使ったヤラセとかぬかすクソコメもあるが、オレはリアリティ重視でやってる。
さっと煽りコメを打ち終える頃にシャワールームのドアが開き、バスタオルで身体を包んだゆきが出てくる。
たまに化粧を落とすと化け物みてえな女がいるが、ゆきは当たりだった。しかも揉んだときに分かったがこいつは隠れ巨乳ときてやがる。
ゆきは頬を赤く染めながら恥ずかしそうにソファーに座るオレのところへやってくる。
オレはソファーに丁寧に畳まれた制服を見たあと、ゆきの目を見て確認を取った。
『ゆきが嫌なら帰ってもいいぜ。オレは無理強いはしねえ。ゆきが後悔しねえ選択をしてくれ』
ゆきは内股を揺らしながらオレに懇願した。
『帰らない……今晩は颯真くんと過ごしたたい……』
だよなぁ!!!
家柄底辺、資産なし、シンママ、難病を抱えた家族あり、将来性僅か……。
ゆきは何にも分からず単に幼馴染だから哪吒と付き合ってたに過ぎねえ。
まあ男としての格が哪吒とはレベチなんだよ。
『そうか。ならオレとゆきは共犯者だ。誰よりも強い絆で秘密を共有してる。はっきり言って恋人同士なんかより強い絆で結びついてんだ』
オレの言葉に頷いたゆきは身体をオレに委ねた。顎クイからゆきの唇を奪う。ゆきは何の抵抗も見せずオレを受け入れていた。
はっはっはっ!
傑作だ!
オレがちょーっと優しい声を掛けてやったら、ほいほい腰を振りやがる。
哪吒、おまえは大馬鹿だよ!
彼氏くーん、今どんな気持ちぃぃ???
オレに最愛の彼女を寝取られたことを知ったら、死にたくなるんじゃね?
いいぜ、そのまま死んでくれても。
おまえがいなくなったあとはオレに任せろ。
アリシアも美里もれもんも寂しくなってオレの目の前で腰を振ってる未来しか見えねえ!
オレがイかせたゆきはシーツを赤く染めて、うつ伏せで気絶していた。その隙にオレはでけえ魚を釣り上げた釣り人みてえにゆきの傍らでピースサインを取り、チャンネルにコメを書き込む。
―――――――――――――――――――――――
@ダンジョン神配信者ソーマ 0秒前
連れカノの処女まんゲットだぜ!
○ヤっちゃえ出産 15秒前
ひでぇwww
○フーゾク・ネトラレスキー 30秒前
颯真くん、マジ鬼畜!
○ダンジョン灰人者 ¥1000 45秒前
くはーっ! マジかよ
寝取りからの処女膜貫通とか草
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哪吒! オレは決めたぜ。
ガバまんになったゆきに中出しして、哪吒にオレのガキを托卵させてやんだよ。オレの優秀な遺伝子を受け継いだガキを育てられる栄誉を与えてやんだから文句ねえよなぁ! はははは!
――――【ゆき目線】
私は流されるままに颯真くんと関係を持ってしまった……。
『哪吒に知られたくないだろ? これはオレとゆきの秘密だ』
私は馬鹿だ……。
初めては哪吒くんに捧げようとしたのに、寂しさから颯真くんにあげてしまうなんて。
それからは哪吒くんには内緒で颯真くんに求められるがまま、身体を重ねてしまった。
私は哪吒くんが悔しがってくれると思っていた。哪吒くんが颯真くんから私を奪い返してくれるものだとばかり思っていた。
だけど、まったく違った。
悔しがるどころか、晴れやかな表情をしていた。哪吒くんは私に申し訳ないという気持ちでいっぱいだったんだ……。
雛子ちゃんのことで手いっぱいになってたこと、両腕を失ったこと、迷宮探索校を放校になったこと……。
すべて哪吒くんの責任じゃないのに、彼はそのすべてを背負って、迷宮探索校を後にしてしまう。
そのとき、私のすべてを失ったような気がした。
――――【哪吒目線】(現在)
全寮制だった迷宮探索校を引き払い、また母さんと実家で暮らすことになった。
「雛子のお見舞いに行くのに遠くなってしまった」
「哪吒はそんなこと気にしなくていいの。あなたは自分のことを考えなさい」
母さんは俺の両腕のあった付け根に触れ、気遣う。一瞬母さんには心配を掛けないためにも【神の見えざる手】のことを伝えようかと思ったが、言ったら言ったで化け物じみた異能力のことを心配される可能性があったので口を噤んだ。
「本当に大丈夫? 一人で……」
「ああ、困ったら
「いけないっ!」
慌てる母さんは急いで支度を済ませ、俺と一緒に玄関を出る。鍵を閉め終えた母さんはひしと俺を抱き締めていた。
「私、頑張るから。哪吒と雛子に何があっても、あなたたちは私とあの人の子どもだから。必ず何とかしてみせる……」
母さんは唇を噛み締めて、俺に決意の言葉を告げていた。
俺は転校先の校門を潜る。転校生である俺が新しいブレザーの両袖をだらりと垂らしていたことで、他の生徒たちは奇異の目で見たあと、ひそひそと噂しているようだった。
まあそうだろうな。
初見なら俺でも見てしまうから。
東都大など各主要都市にある七帝大を除けばダンジョン探索に関する学科がある学校は限られてしまう。
幸い俺の実家近くの学校、黄昏学園にダンジョン探索に関する学科があり、転校を希望した。
俺の登校を読んでいたかの如く、腕組みしながら仁王立ちで俺の行く手を阻む者が現れる。長いストレートヘアを後ろで束ねたポニーテールの髪型でミニのタイトスカートに白衣を羽織った美女が俺の前に立っていた。
「哪吒!!!」
「えっ!? 何で志麻姉ちゃんがここに!?」
この美女の名は早瀬志麻。俺とゆきの幼馴染みでよく志麻姉ちゃんに面倒を見てもらってた。
彼女がハグしてこようとしたので俺は思わず後退りする。他人には毒を吐きまくるのに、俺にはスキンシップ過剰気味の志麻姉ちゃんが少し苦手だった。
近所では勉強ができて、クールだが誰もが振り返るような美女と評判だったが、その裏の顔は研究と評して俺に重たい感情ぶつけてきていたのだから。
まだゆきとの男女交際が曖昧だった中学三年のときだった。
俺は志麻姉ちゃんに童貞を奪われた。彼女の正体は性に対する知識の乏しかった俺をお医者さんごっこと騙していやらしいことをしてくる野生のドスケベお姉さんなのだ。
俺は志麻姉ちゃんから逃れたいのもあって、全寮制の迷宮探索校を選んだのだ。
志麻姉ちゃんが東都大で研究者をしているためか、ストーカー紛いのことを始めた。
付き合ってる子がいたらちゃんと落ち着くかと思って、俺はゆきと付き合うことにした。
ゆきに手を出さなかったのはゆきも志麻姉ちゃんと同じく狂っていたらどうしようと二の足を踏んでしまったからだ。
志麻姉ちゃんにも口頭でそのことを伝えると意外にもあっさりストーキングを止めてくれた上に祝福までしてくれた。
「そんな顔するな。私で童貞を捨てたくせに」
「なっ!? あれは志麻姉ちゃんが何も知らない無垢な俺から奪ったんだろ!」
「そんなに怒るな。私は哪吒のことを心配してたんだ。両腕を失い、迷宮科がないにも拘らず私ところに戻ってきたというのはそう言うことだろう」
志麻姉ちゃんは腕組みしながら一人うんうんと首を縦に振り頷いていたが、何気に聞き捨てならないことを言っている。
「廃止ってなんだよ……」
「何を言ってるんだ? 迷宮科なんてとっくに廃止になってるぞ。目的は私に義手を用意してもらいたかったんじゃないのか?」
「え?」
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