ディナー
お相手の青葉くんと連絡先を交換して、何度かメッセージのやり取りをした。会う日を決めた。
クリスマスイブに大阪にある海鮮がおいしいお店にディナーを食べに行く。
当日パピ美さんに服をチェックしてもらって、白を基調としたシンプルな服装で待ち合わせの駅前に向かった。
青葉くんがいた。写真より素朴な雰囲気だ。お互い挨拶をして青葉くんから「ないな…」といった気配を感じた。目が合わないし歩幅も早いのでわたしも「おもんな…」と思った。
お互い微妙な空気が流れ、
海鮮のお店に到着した。薄暗い照明に高級感のある装いの店内
の
カウンター席に案内された。
全然会話が弾まなくて辛くてわたしは食欲に頼った。
定番のお寿司の盛り合わせ、舟盛り、ウニいくら丼、金目鯛の煮付け、鯛の赤だし、マグロの希少部位コース、貝の盛り合わせ7種、焼き物、蒸しアワビ、本日のおすすめお寿司盛り合わせ、本日のおすすめ刺し身盛り合わせ、握り寿司十数貫…エトセトラ…
食って食って食いまくった!
青葉くんは途中から熱燗や焼酎や升酒を飲みながら遠くを見る目になっていた。後半無言で、わたしの箸を動かす音と咀嚼した食物をゴキュン!と飲み込む喉の音のみが私たちの間には流れた。
会計は全て青葉くん持ちだ。1万7千円した。大将が同情するように悲しい目をして青葉くんをみていた。た、食べすぎた。
ただ飯をたらふく食らい、駅で別れてはち切れそうな腹を抱えひとり帰路についた。
後日、パピ美さんから「青葉くん、あなたとはお友達からがいいって言ってるよ」と言われた。
それからしばらくして職場を退職し、パピ美さんとも疎遠になった。青葉くんと会うことはない。わたしは青葉くんの連絡先をブロックした。
やっぱりわたし、他人に興味ない!
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