十二月十八日

目を開けたくない。何も聞きたくない。水すら口にするのを躊躇う。

五感が、そこにある感覚全てが私をここにとどめる鎖となり杭となり重りとなっている。

胎児のようにうずくまった為、両の膝に生暖かい空気を感じた。それすら否定に思える。


肉体とは感覚を束ねる物理的な拘束の正体であり、私という連続性が存在するための条件である。


私は私からそれらを手放したい。

呻く私の口からは、相変わらず生暖かい空気が漏れ出していた。それは肉体の正常な稼働を示している。いつ何時も途切れることが無い故、当たり前であるかのように思われている。


異常である。


ことこの個体においては尚更である。この拒絶を魂と呼称するなら、私はすでに魂と肉体が乖離している。

私は終了するべきである。

私は終了するべきである。

私という連続性は途絶えるべきである。

この個体は死ぬべきである。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

遺書か、手紙か、その類 ナモカ @suzukinamoka

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ