十一月二十四日

昨晩雪が降りました。今日の昼前頃に雨に変わってしまいましたが、小さく、確実に、季節は変わろうとしています。


散っていく紅葉を前にすると、稀に強烈な罪悪感にかられます。

血液が焦燥感をおびて蠢き、胸はまるで、半紙に垂らした墨汁がじわじわと広がるように痛みます。


あまりに拒絶される感覚を伴うものですから、物質的な私は存在しないかに思われました。


しかし私はそこにいたのです。


乾燥した唇を指でなぞっていることに気づき、それを皮切りに右手、左手、両足と自分の肉体がどこにあるかを知ることが出来ました。


リップクリームを塗るために立ち上がりましたが結局場所が分からず、私はそれを枯れていく椛の下で眺めることしかできませんでした。


その大木は一枚一枚丁寧に時間を散らしていきます。

その鮮やかであろう橙の一欠片に、あなたなりの価値があることを願いました。

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