死神の概念が覆されます
- ★★★ Excellent!!!
おどろおどろしい空気を身にまとい、寿命がきた者に死を告げる存在という死神のイメージが、根底から覆されます。
読み進めるうちに、いつの間にか死神の方に感情移入してしまっている自分に驚きました。
自身は早くに亡くなって死神となり、愛する人は他人の妻に。
それでも、愛する人の寿命が老衰によって尽きるまで、傍でずっと見守り続けた死神は、果たして幸せだったのでしょうか……。
無償の愛を注げる対象を得ることが出来て、最後に一緒に踊ることが出来て、きっと幸せだった……そう思いたいです。
願いが叶ったのは女性よりもむしろ、死神の方だったのですね。
短編なので、読むのが遅い私にもすぐに読めました。お勧めです。