五軒目

 木製のドアが朽ちかけており、入るために開けようとすると壊れそうだったため、一旦家の周囲を見てみる。窓はある。しかし無数の細長い木の板で覆われていて、よくわからない。

 勝手口があった。木の扉には穴が空いており、わずかでも扉の役割を全うさせようと、穴の全体に蜘蛛が巣を張っていた。

 壊れそうなくらい脆くなった扉をゆっくりと開けて、勝手口から入る。土間だ。ひび割れた三和土から雑草が生えている。

 薄暗さの原因となっていた窓を覆う木の板の正体は、大量の卒塔婆だった。強風対策にしては罰当たりだし、卒塔婆自体にそれほど強度はないのでは?

 部屋はそこまで広くはない。畳は傷んでいて、多分上がり込もうとすれば踏み抜いてしまうかもしれないから、土間から部屋を眺めることにした。

 部屋の中央にも卒塔婆がある。

 閉じた傘状に立てかけられている。

 手前には埃被ったマッチ箱。すでに湿気でダメになっているらしい。火をつけようとしたのか、失敗作のマッチ棒が数本転がっている。卒塔婆のお焚き上げを家ごとやろうとしているようにも見える。結果的に家が残っているということは、途中で失敗したか放棄されたのだろう。

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