第3話:クラスの小さな変化

屋上の手紙の話が、少しずつクラスに広がっていた。


ある日の昼休み、陽介は驚いた。

いつもあまり話さない同級生の亮太が、にこりと笑いながら声をかけてきたのだ。


「陽介、昨日の話、面白かったよ」


陽介は思わず目を丸くする。

「え、俺の話?」

「うん、手紙のこと。…ちょっとやってみたくなってさ」


それだけで、教室の空気が少し明るくなった気がした。

他の生徒も、何か小さな勇気をもらったようで、少しずつ陽介に話しかけるようになる。


放課後、陽介は美咲と教室に残り、黒板に小さなメッセージを書いた。


「屋上で手紙を書いた人へ──ありがとう」


その文字を見て、二人は微笑み合う。

屋上で消えた手紙の光は、少しずつだけれど確かに、クラスの中で広がっているようだった。


陽介は静かに思った。

『願いって、届くんだな…』

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