第32話 人称視点

X²²+X年9月14日(金) 20時21分 イタリア カンヴァス・エテルノにて


「…あら先客がいたか、あまり私の邪魔をしてほしくないのだが…」

男性の声が聞こえた

「誰ですか…あなたは」

靣々ももは来るとは理解していたが、名前を問いた


「私の名前は『マッテオ・ロッシ・ノエ』法則や異能力は言わないでおこうかな」

マッテオは少し和やかな雰囲気を出しながら言った


マッテオ・ロッシ・ノエ 性別:男

異能力名:人称視点支配パースペクティブ・ドミネイト

法則名:視野の法則


(話し方的に能力者か…一般人ではなさそうだ)

芳未は訝しんだ


「私たちは…『形成の法則』の持ち主を探していて…」

栞は無邪気にそう言った


「へぇ…そう」

その言葉を聞いた途端マッテオの顔は暗くなった


「ノエ、待ってくれよそろそろ私のデッサンが完成するんだ」

そこには、マッテオ・ロッシ・ノエと同じぐらいの年齢の女性が後ろから現れた

彼女は全身をカラフルな絵の具で汚しており、手には巨大なパレットと多数の絵筆を持っていた


「リヴィア…お前の法則形成の法則がこいつらの目的だ、下がってろ」

マッテオは、守るべき対象が特定されたことで、表情を冷徹なものに変えた


リヴィア・ヴェーラ・フォンタナ 性別:女

異能力名:色彩形成カラー・シェイピング

法則名:形成の法則+パレットの法則


「私の法則は『パレットの法則』だよ?」

リヴィアはとても困惑していた

「…ああそうだな、だがお前にはもう一つ法則があるそれが『形成の法則』だ、リヴィア、お前は「二重法則使用者ダブル・ルール・ユゼジェール」だ」

マッテオさっきの陽気な性格が嘘のようにキリッとそういった


二重法則使用者ダブル・ルール・ユゼジェール…その名の通り、法則を2種類持っている人物の事、能力者の中でもごく一部の分類


「困りますよ…ネタ切れかなって感じで法則者の分類を一個増やすのは…」

靣々ももはため息を吐きながらそう言った、突然のメタ発言でその場の法則者たちは驚いた


「…でもまぁ敵なら倒した方がいいんだろう?」

芳未は目を細めながらそう言った

「ああ、そうだぜ」

栞は少し低い声でそう言った


「恐らく、『パレットの法則』は『形成の法則』の根本的な能力だと思う、『パレットの法則』があるから『形成の法則』が現存してるって感じだと思う」

靣々ももは真剣な眼差しでそう言った、ただの『考察』ではあったがそれは核心的な事に近付いていた


「……まぁいいリヴィアは俺が守る」

マッテオは靣々ももの話は全く聞かずリヴィアの事を守ることだけ考えた


人称視点支配パースペクティブ・ドミネイト相手視点ゲイズ・ドミナンス


「人という者は『人からどう見られているか』が一番気になる事なんだよ、『相手視点ゲイズ・ドミナンス』は自分自身を相手からどう見られているか、相手をどこを見ているかが判る技だ、つまり貴様らの能力の行動予測が可能だ」

マッテオは冷笑をしながら効果について話た


「まぁ…私の法則でなんとかなりますが…」

靣々ももは小さな声でそう言った


(『万象豪大オール・インフレイト』)

靣々ももは心の中で技を唱えた


牟壯 靣々むしょう もも

異能力名:万象豪大オール・インフレイト

法則名:欺きの法則


「私の法則は『最頻値モードの法則』と『平均値アベレージの法則』の二重法則使用者ダブル・ルール・ユゼジェールよろしく」

靣々ももは能力を使用し嘘を吐いた


「へぇ…最頻値モードの法則と平均値アベレージの法則か…法則名だけでは分かりずらい能力だな」

マッテオは少し怯むようにそう言ったが、まだ諦めていない

靣々ももは一瞬怯んだ瞬間、リヴィアをチラ見した


(…彼女は能力を発動しないのか…?ならば逆にチャンス…)

靣々ももはそう考えた


「お前、なぜ一瞬リヴィアを見た?何か企んでいるのか?」

マッテオは靣々ももの一瞬の視点のずらしも視逃さなかった


「なぜわかった?」

靣々ももは疑問を持った


「さっき言っただろう私の『自分自身を相手からどう見られているか』というのが私の能力の詳細だ、まぁ…あまり説明しにくいが私の能力は発動した瞬間、視界の隅に特定者の視点が映し出される能力だ」

マッテオは的確に自分自身の能力を説明してくれた


マッテオの能力は朔のように視界の隅にディスプレイのようなものが映される能力である

※1話参照


「…なるほど…では目を瞑ったらどうなる?」

靣々ももは試しに目を瞑ってみせた


「…もちろんだが私の能力上であっても視界は真っ黒になっている、だが貴様は目が見えない状態で私とは戦えないだろう?」

マッテオは、嘲笑うようにそう言った


いや、できるね」

靣々ももは自信があるようにそう言った


「どうやってだ?」

マッテオはその言葉に疑問を抱いた


「それは単純明快『感覚』さ」

靣々ももはその問いに即答した


「そうか…では戦わせて貰おう」

マッテオは少し微笑みながらも言った


「対戦よろしく」

靣々ももは目を瞑りながらであったがとてもいい笑顔でそう言った


万象豪大オール・インフレイト解除off


─────

X²²+X年9月14日(金) 19時20分 スイス シンメトリー・シミラー


「一つ確認しておきたい、みんなの能力法則はなんだ?」

エンペルはリーダーのように仕切っていた


「私は、『化学法則超強化・無効化の法則』熱伝導などを強化することができる、エンペルさん…君の法則はなんだ?」

カフランはエンペルにあっさり自身の法則を公表させた


「私の法則は『幾何学図形の法則』様々は図形を出すことができる能力だ」

エンペルもカフランに簡単に法則を公表した


「あの…私の法則は『完全変態・不完全変態の法則』です…簡単に言えば私自身の体を改造することができます」

マリーはカフランにそう言った

エンペルはマリーの法則を知っている為言わなかった


「嗚呼、あの繭の?」

カフランはマリーに過去見た光景を言った


「ええ、そうです!覚えてくれたんですね」

マリーはとても嬉しそうにそう言った


♀♂メスオスの法則も言いたいんだけど?」

そこには、見知らぬ長髪の女性がいた


「誰だお前?」

エンペルは訝しむようにその人物に問いかけた


♀♂メスオスの名前は「鳳凰 キメラほうおう きめら」、初めて会うね君たちも法則使用者でしょ?」

キメラは少し嬉しそうに聞いた


「ああ、そうだが…君の法則はなんだ?」

カフランはとても怪しみながらそう聞いた


♀♂メスオスの法則は「性反転の法則」名前の通り対象の性別を反転させる能力だよ、あまり使わないけどね」

キメラは一人称が「♀♂メスオス」である為、法則の考察は容易かった


「お前の主は?」

マリーは問いただした


♀♂メスオスの主?…いるけど教えるなって言われてるし言わないよ」

キメラは少し渋りながらもそう言った


「…まぁいい、どっちにしろお前は戦闘向きではないだろう」

マリーは嘲笑うようにそういった


「ほんとにそうだと思う?」

キメラはそういった


聖別反転セッソ・ロック・リバース自身変更ストッソ・カンビアーレ

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