第6話 モチベーションで書くな。テンションで描くな。


 その時の気分で創作をしてはいけない。継続は習慣化しなければ成立しないものだ。自然と出力するものが湧いてこないのであれば入力が必要な時なのかもしれない。構想を練っても湧いて出てこない時、具体的に案が固まらない時、思い浮かんだとしても霧散してしまう時、それは入力が足りていないのかもしれない。


また、こうして適当に文章をつらつらと書いていると、何かがきっかけとなって新しい案が思い浮かぶかもしれない。


 やる気を出すのも仕事のうち。さぁ、書け描け。





 今回お話するのは物語の構成における感情のお話です。


 物語を好む人間と言うものは、どこかで感情の起伏を望んでいる節があります。いつもどこかでワクワク、ドキドキして、新しい刺激を欲しているものです。


 とは僕は思うんですけど、そうでもないよなってなる事もあると思います。

 

 正直統計を取っている訳でもないですし、何を創作に求めているかなんて人それぞれなんですけど、かなり前から申している説で『寝る前の妄想代理人』という様な意味で、インスタントな快楽を求めているユーザーが非常に多いのではないだろうか、というのがあります。


 異世界に行って、ハーレムして、チートして、冒険して、スローライフしてってジャンルを絞っていけば、そういった類の作品に行きつくと思います。


 まぁ、そういった物は快楽物質を出す甘いお菓子と同じ様なものなので、娯楽としてはそうなんだろうなって感じです。


 時折その娯楽妄想物語に対して、「作りが甘い」とか「気持ち悪い」とか「ご都合主義」「ヒロインがダッチワイフ」とかマイナスな感想を出している方もいらっしゃいますが、そんなこと言っても仕方が無いと思います。


 絵本に対して「ひらがなばかりで読み辛い」と言っている様なものですね。


 無料であるなら文句は言えませんし、有料ならばそれに需要があるのです。


 出版社によっては売り逃げしようとする悪い人達も居ますが、ごく一部です。

 続かない商売は商売ではないので、面白いものを出して信頼を勝ち取り、売り上げを伸ばしていきたいと云うのが普通の出版です。 


 趣味趣向というものは味覚よりも更に複雑であり細分化されているもので、

ジャンル、傾向、展開、構成、キャラクターなどあらゆる要素がありますね。


 読者を引き付ける一番の要因は、感情です。


 誰が何と言おうと、感情です。ホルモン物質で発生するものですね。

 基本的に、脳というものは自分に訪れた感情において

「時と場所と人物を選ばない」という性質を持っています。


 他者に訪れた過去のお話で、自分も同じ様に怒りを覚えたことはありませんか?


 知り合いから聞かされた滅茶苦茶マナーの悪い客の話とかで、同じく怒りが湧いた事はありませんか? それです。ご自身に被害がないのに他者に共感して怒りを覚える。というのはまさに「脳の勘違い」から起こるものなんですね。


 作家はこれを利用して読者を物語へと引き込みます。この感情による「共感」というものは他者と自分の境遇が似ていれば似ているほど効果があります。


 例えば、幼い子供が飲酒運転のトラックに轢かれて亡くなったというニュースを見た時、自分にお子さんがいたらとても怖くなると思います。子供を亡くした親に共感しているからです。


 これを物語の登場人物と読者の間で起します。

 人間と言うものは人生を歩む過程で選択と決定を幾度となく繰り返し、事故や不運と云ったトラブルにも巻き込まれます。それらの条件、情景、状況が読者に想像しやすい状態になれば、読者は共感を得てくれます。


 試験前の緊張。大会前の高ぶり、本番の集中。自分にもこんな瞬間があったなって思わせる事が共感、ひいては感情の操作において最も重要な要素なんですね。


 僕が以前にラーメンの一口目でインパクトの話をしたと思うんですけど、選択の最中、人生の転換期、決定の瞬間から物語が始まったら大きな印象を残してくれるのではないかなと考えています。


 一番安易な方法としては、他者の死です。経験していない人間はほどんど存在していないのではないかと思います。友人家族、ペットこれらが突然いなくなった時、後悔の念が襲い、とてつもなく悲しくて苦しくなると思います。


 自分が今まで見て来た作品で死をテーマとして扱う作品は自然と引き込まれませんでしたか? それは、あなたの経験に他者の死があるからだと私は思います。


 今日はこの辺で。長々と書きましたが腕ならしはこれまでとします。


 この記事を読んで、

 おっ、そうだなって思った方、面白かったなと思った方は下記の作品を読んで星をつけてください。何も思わなくても付けてください。


ラブコメの皮を被ったバトル作品と

https://kakuyomu.jp/works/16818093087696102728



ラブコメの皮を被ったギャグ作品です。

https://kakuyomu.jp/works/16818093090549879419



 最近、あバズれの方が、ラブコメのフリしてたのがバレて、アクティブ層から読んでもらえなくなりました。もう撒き得は使えないみたいだ。

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