第13話 支え合い

 イベントで出会ったあとも、美優とは自然に連絡を取り合うようになった。

 最初は仕事の話だったが、次第に何気ない会話に変わっていった。



何気ない時間


 「最近ハマってる動画あるんですか?」

 「いや、作るのに必死で見る余裕ないな」

 「じゃあ、私が紹介します。創真さんに似合いそうなの」


 夜遅くまでメッセージが続き、気づけば日付が変わっている。

 スマホの光を見つめながら、胸の奥が温かくなった。



不安と支え


 ある日、俺は思わず弱音を吐いた。

 「正直、怖いんだ。loudyがいつまで続くのか。

  また全部失敗して、俺ひとりになったらって」


 送ってしまってから後悔した。

 こんな不安をぶつけたら、きっと嫌われる。


 けれど、美優から返ってきたのは予想外の言葉だった。


 「怖くていいと思いますよ。

  でも、それを隠さず言えるのが創真さんの強さじゃないですか」


 その一文を読み返すたび、胸の奥に灯がともるようだった。



会う約束


 「今度、ご飯でも行きませんか?」

 気づけば、そんな言葉を送っていた。


 既読がつくまでの数秒が永遠に感じられた。

 返ってきたスタンプは、にっこり笑った顔。


 「ぜひ行きましょう」


 画面を見ながら、思わず笑みがこぼれた。

 雪菜との恋で傷ついた心が、少しずつ癒されていくのを感じた。



新しい恋の始まり


 約束の日、駅前で待つ美優を見つけたとき、胸が高鳴った。

 彼女は少し緊張したように笑って、

 「お待たせしました」と小さく言った。


 その瞬間、俺ははっきりと気づいた。

 ――この人を、大切にしたい。

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