別れ


 私は当たり前の様にさくらと同じ大学へと進むと思っていた。だけど、そうにはならなかった。

 高校に入学した当初は卒業したら一緒に地元の大学へ行こうねと話していたのに、3年生になった頃からさくらは「学びたいことがあるの」と言って県外の大学を調べ始めたのだ。

 そんなさくらに驚いたが、直ぐに私もさくらと同じ県外の大学に行けばいいだけだと楽観的に考えた。実際、ふたりでルームシェアをしようだなんて話して盛り上がっていたし。

 だけど、私の両親は私が県外の大学へ行くことを認めなかった。女の子を家から出すのは危ない、県内の大学でないと学費は出さないと言ったのだ。



 こうしてさくらは桜が咲き始めた季節に私の元からいなくなってしまった。

 “ずっとふたりでいられたらいいのにね!”なんて言っていたのに……。私の胸にはどうしても埋められない大きな穴がぽっかりとあいてしまったようだった。

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