許されない恋

第1話

「今日も疲れたな」

俺、小橋圭吾。21歳。職業、理学療法士。

専門学校を卒業して、この春、地元に帰ってきた。

職場は80床の小さな病院。

無事国家試験合格して、忙しい毎日を送っている。

趣味のロードバイクに跨り、ギアを上げ走っていた。

信号待ちしていて、ふと視界にコンビニが入る。

「こんな所にコンビニあったっけ」

減速して、コンビニに愛車を停める。

「いらっしゃいませ」

明るい声に聞き覚えが。

「もしかして唯か？」

「……小橋くん？」

彼女、柳生唯は高校時代に付き合っていた女の子。

たった3年しか経っていないのになんだか大人びて見える。

「久しぶりだな」

レジ横の珈琲を注文しながら、話をする。

「小橋君は変わってないね」

唯は、ふわりと笑う。

あの頃と何も変わってない。

変わったのは…

「最近ここでバイト始めたの」

カップを手渡しながら続ける。

「この街に帰ってきたんだ」

「確か隣の県に進学してたんだっけ」

うん、とうなづく。

「またあつでもかおだしたあ、夕方からこの店にいるから」

「そうだ」

鞄から名刺入れを取り出す。

「良かったら連絡して」

じゃ、とこんびにあを後にする。

愛車の前で珈琲を飲みながら呟く。

少しノスタルジックに浸った。

「3年ぶりか」

のれから通勤かむ楽しみになった。