第8話 目指せ神童

「……っ、……ふぁーあ」


 はっと目が覚める。どれぐらい眠ったかはわからないが、俺はまたベッドの上にいた。


「いちぇかい」


 異世界! せっかく来たというのにハードモード転生だった。

 魔力チートであり、愛にあふれた家ではあったものの、俺の余命はあと半年。それにより、家族は離散。メイドのシャオはこのままだと俺の道連れである。


「にゃい」


 ない。これはない! あんまりである。

 が、実は俺にはこの人生に一筋の道、光を見ている。それは――


「にゃる」


 なる! ――神童に!

 神童とはつまり、幼少期から優れた才能や知性を示し、非凡な能力を発揮する子どものこと。

 それになれば、余命一年を回避できると考えたのだ。

 俺は、父と司教の会話から、ある一点の予想を立てた。

 二人が心配しているのは、魔力暴走により、俺の行使した魔法が、この国を脅かす未来である。

 これまで、赤子から魔法が使えた子は一年以内にそれが起こり、周りを壊しながら、自分の身を滅ぼしたからだ。

 では、それはなぜだろう。

 それについて、司教はしっかりとヒントを出していた。


 ――自我が発達していないからだ、と。

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