第七章
第七章 長老の樹
君が僕を守る事で神の怒りを買い中天にかかった血塗られた月に封印された
そして暗黒の呪いの住処がめざめたとき
君はめざめた
こうして…今回は離れない!絶対に!
リョウがミアをだきしめた
リョウ…
あの日
貴方は…
きぃ…ん
剣の噛み合う音
ミアは 能力を封じられたまま
リョウの背中に かばいこまれていた
が…
魔物の長の 剣が振り下ろされる
「ぐ…」
リョウは 右足で小石をにじった
おされている!
ミアは能力も剣すら持たないまま
倒れていく剣士たちの剣をにぎった
「はなれて…」
離れなさい!
下から魔物の長の脇腹を突いた
暗黒の鎧の隙間に剣をにじこむ
「この小娘」
魔物の蹴りが胸にはいった
しまっ…た!
ミア!
リョウが手を伸ばす
その 上段から落とされる
鋼!
ザクっ!
「ぐ…」
リョウ!
革鎧をやすやすと貫き
刃は リョウの背から腹を 貫ききった
「がは…」
リョウ!
そんな!そんな!
ミアが
血に濡れる唇のまま
リョウをだきしめた
「いやよ!いや!」
ミア…
にげ…ろ!
にげ…ろ!
うわごとのようにいうリョウ
流れ出る大量の出血
ミア…
逃げろ…頼む
約束したろ?
リョウの手がぱた…と落ちた
リョウ!
ミアが…震えた…
ミアの鎧を 濡らす大量の血
魔物がミアに剣を打ち下ろした
ばづ…
落ちる首
ミア…
愚かなワルキューレ…
手が伸びる
落ちたのはミアの首
その首を魔物は高々とあげた
ミア…
虚ろな目のまま…何もをうしなったミア
その首に魔物が歯をたてた
ばしゅ…
突如放たれるのは オーロラの光
魔物の 体が 五臓六腑撒き散らして輪切りにされた
愚かなワルキューレ
あのお方の唇にのることば
ミアの体は七色の光を放ち!その七色は戦場を駆け抜けた
血みどろの 戦場を 光の刃が駆け抜けていく
バシュ…
全ての魔物のからだが 打ち割かれていった
そして駆け抜けたのはミア
しかし…その 瞳には 涙するなかった
記憶はいらないだろう?
虚ろなまま
すべてが 血の海に 沈んだ時
ミアの鎧が解除された
おいで!ミア!
ミア?
ミアはあの青年を 虚ろなまま見下ろした
ミア?
涙が一筋流れる
おいで?ミア
ミアの魂は虹の珠となって登りゆく月にすわれていった
ミア…
いこう!
リョウが ミアの髪を撫でる
「ああ…リョウ…」
ミアは 狂おしいままリョウの 唇を求めた
みーあー!
びく…
あと すんででリョウの唇を吸おうとしたその時
可愛いらしいあの声!
みーあー!!
だ…!
ミアとリョウが 地をかけた
やーー!
みーあー
その樹を見上げれば恐ろしいまでに巨大
そして太かった
よじれ節くれだち
全ての大地の苦悶を呑んできたような 巨大な樹
樹にしてはあまりにも醜い!
その樹の根の檻にタケシは とらわれていた
みーあー!
にぃにぃ!
みー…
ばちっ檻の天井が弾け
タケシに 樹液がしたたりおちる
じゅお…
可愛いらしいクマのオーバーオールが溶ける
やーーーー!!
「タケシ!」
ミアが
その樹に うちいれようとした!
その根元から 放たれたのは 闇にまみれた眷属達
ミアの足を
し屍人の 腕がつかんだ!
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