第六章
第六章 黒き渦の 夜明け
ミアは 長椅子に タケシを 抱っこしたまま コロと 横になった
「エアコン止めようか?」
うん……ありがとうリョウ
はい!ブランケット
それは暖かい模様の ふわふわの布
キルトさ!
母さんすきなんだよ!
なんかねミアが 大のお気に入りみたいだ 普段出さないんだよそれ!
リョウが レースの カーテンを 遮光カーテンで覆う
と……さっ
横切る影
ふと……光に反射し 金の目
「いや?まさか?」
リョウが 背を震わす
ミア……ミアには言えない
きっと怯える
リョウは ぐっと鍵を 確認し きちんと カーテンで 覆った
きっと気のせいさ
ミアは キルトに 包まると トロトロと 眠りに落ちる
ふと……ひひぃーん
微かに風に乗る声
ふ……リョウが 嫌な予感がした
でも……ミアお眠り
リョウが ミアの 髪に 触れる
前もあったな……
なんだろう
木のイスに座る
今日はこうして夜をあかそうか?
スマホを 見る
最高気温更新
そればかり
どこそこで地震
終末だ……不安を煽る
リョウは ある動画みつけた
麗しの コスプレイヤー!
ミア?
ふとみて
止めた
そして?
あるニュース
森林火災 水害
ザッピングして 大写し
これ?
ユニコーン!
白い獣
その題で投稿
幻か?謎の生き物?
コメント1000
すご!
リョウは思う
何かミアの力になろう!
何でだろう思い出の中に ミアの 笑顔と 泣き顔
嫌なんだ!今度は泣かせない
今度?今度ってなんだ?
なんで?
思い出せ
西の森に謎の渦?
発見者ミフネ996
またしても異変?
地球規模!
リョウはばっと テーブルにスマホを 置いた
不安だろ?ミア
寝顔を 見やる
長いまつ毛
規則正しい寝息
ピンクの 唇から もれる 息
リョウは そっと ミアの唇に 唇を よせた
「!馬鹿!僕」
ガバ飛び退く
反射で 脇の女性誌が ファサと 滑った
ん……
ミアが うめいた
「リョウ……」
僕?
僕の夢?
リョウが ふ……と ミアの前髪に触れた
と……つ……ミアの頬に涙……
なに……おもいだしてるの?
覗き込んで ふと 頬を撫でる
後から後から涙
「ミア……」
リョウは 立ち上がる
守る
ミアの 涙に濡れた拳を握りしめた
そばの雑誌
少年誌をめくるままにリョウは 朝を迎える
「リョウ?」
ふとミア?
リョウは こっくりしていたらしい
「ああ……」
「ここにいたの?」
にぃにぃ!
タケシが 上機嫌でかけてくる
「おやまあ上機嫌で……いっつも朝グズるのになぁ……」
みーあ……におい……おはな!
と……ミアの 移り香
確かに花フリージア?
ミア?香水つけてる?
「え?ううん」
じゃあ体臭?
リョウは ドキリとした
「本当にまあ!」
母さん!また大声で?
「タケシが 笑っててミアちゃんのおかげだね」
サバサバしてて……
やっぱりミアにも心地いい
パンたべる?
はい……
ミアがうなづいた
食パンに甘い黒いもの?
黒ごまバターだよ
珍しいらしいけど
うちは朝はこれ
道の駅までえっさほいさって自転車で行くの!
お母さんが
ジェスチャーをする
食事終わったら リョウ!
案内してあげな!
「おう……」
リョウが手をうつ
この辺はなかなか いい川が流れてるんだよ!ミア行く?
「うん!」
明るく笑うミア
リョウは嬉しくて にへ……と笑った
「これ……顔……ゆるめてないで!」
「はーい……」
「いこう……」
リョウがミアの手をとった
「わ……」
ひょいっ引き上げて玄関へ
「タケシいくぅ」
タケシがテコテコついてきて 玄関の段差で泣く
「ほぉれ」
リョウが抱っこした
「クックはこうな?」
「あーい」
ミアが にっこり
リョウは 靴を履かせてあげると 下ろした
「優しいね……」
「いや……ね」
ちょっとかっこいいふりでリョウ
川べりまでの道をトコトコかけるタケシ
「こら!ぶ〜ぶくるぞ!」
「あーい」戻るタケシと
……!
「あ……!」
ミアが身構えた
タケシの 足元
「だめ……」
ミアが駆け寄る
赤い靴の足元に黒い渦!
「タケ……シ」
手が届こうとする瞬間
タケシの 身体に根のようなものが巻き付き くっ……と飲み込んだ
「やーーっ」
タケシが泣く
みーあー!
と?ひひぃーん
また嘶き
ミアが崩れた
「タケシ!まって……」
「くそ!」
リョウはぎっ……と 唇を 噛む!
「あいつらだ!ミア!ユニコーンとチビ!」
「いやーっ」
わなわな!
ミアが泣きじゃくる
「リョウごめんなさい!」
「大丈夫!心当たりは?」
ひっくひっく……ミアの肩
リョウが 抱く
「あいつら西の森だろ?ミア?」
こく……ミアが うなづく……
「行くよ……僕が一緒だ!大丈夫!」
リョウは 物置から 竹刀を 持ち出した!
「僕は剣道やってたから!まかせとけ!」
元気なふりで 自分の肩を 竹刀でバシバシ叩く
「ミア……ミア……泣くな……」
ブルブル……ミアが まだ震えたままだ
「行くから!僕が守る!タケシも!君も!な?」
震える頬を抱き寄せた
「行くよ?ミア」
「ん……」
ミアがうなづく!
「タケシ……」
ミアが 森へと駆け出した
「まてって!」
リョウも かける
「はや……」
ミアは 風に乗るように速い!
取り戻す!あの笑顔
きっ……前を睨んだミアは 朝の 市街を 駆け抜け薮をわった!
足が痛い!
かまうもんか!
頬をうつ枝!
知らない!
リョウがおう!
リョウとて 速い方追いつくか?
と ミアが 止まった
「ミア」
「ミア」
揃う声!
「テル!返して!」
「まだだめさ!」
「だめさ!まだ」
また反復!
ギリ!
ミアは 敵意で テルとパチールを 射抜いた!
「返しなさい!」
「やだね」
「だね!」
リョウが 竹刀で ぶっ叩く
ガシャ!
しかし!竹刀が折れ砕ける!
「くっ……」
「若造無理だよ」
「無理だよ」
くくっ
テルをおう パチールが 口角を 上げた
「また死ぬか?若造?」
「殺そうか?」
邪悪に笑む!
ちっ!
残るは竹刀の柄!
ざっ!
気合いで振り下ろすと青い何かが光った!
「が……」
テルが背中から血を流す!
リョウの その手には
青い宝石のはまった 剣?
「これ?」
呆然と眺める
「あれ?」
「神剣!」
「テル!やばい」
ユニコーンの 血が葉をぬらす
「神剣?」
ミアがこめかみを 抑えた
「つあっ……」
きり……
きつい痛み
「ミア!」
リョウが ミアとテルの間に 入る
「弟を返せ!」
怒号!
剣は使える
振り上げ下ろす
剣圧が パチールのフードを ばつりと はらう!
「ひ……!テル!」
パチールは 怯える
「返さない!」
テルは回転を かけ!角でリョウを 狙う
ざっ!!
リョウの 剣が ユニコーンの 角を輪切りにする
「どけ!」
リョウに睨まれ!
テルが 倒れ落ちた
「テルぅ」
見れば前足まで切断されている
「チビ!死にたいか?」
リョウの背中が 怒りに 燃えて見える
ミアがつきーんと また頭痛に震えた
「だ……」
リョウ!革鎧の その背後!
がしゅ!
真空の刃!
テル!
ミアは!
オーロラの 短剣をテルの首に 落とした
「グオ!」
テルが絶えた
ミアは 血をはらう!
やろう!今度こそ!
守る私が戦う!
金の女鎧が肌を覆う
「テルぅ」
パチールは ピコピコと走る!
そして草の間から こちらを見る
「リョウいこう!」
ミア!君!
リョウが 剣を立て誓いを立てた!
蒼き石の元!貴女を守る!ワルキューレよ!
何度生まれ変わっても貴女に会う!
永久の誓い!ここにかける!
ミアの 耳飾りが羽と なって ミアの兜を 飾った!
ミア……
思い出したよ!
ミア!
リョウがなく……君を 置いたまま死んであんな目に!
君は封印されて
こんどは戦える!
ワルキューレ!
「うん!」
ミアのオーロラの短剣が 長剣へと変化する
「行こう……」
「待てミア……もう1つ」
リョウが そっと 口付けた!
結婚の 誓いを立てる!
必ず守る!
死ぬな!
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