第2話:ニートと美女三人の仲間たち
街道沿いの森。
草を踏みしめながら進むと、ガサガサと音がした。
「来るぞ!」
ライラが剣を抜く。
茂みから、醜い顔の小鬼――ゴブリンが飛び出してきた。
三体。粗末な棍棒を構えている。
「ミリア、援護!」
「わかってる!」
ミリアが詠唱し、火の玉が放たれる。
一体のゴブリンが燃え上がった。
ライラが飛び込み、剣を振るって二体目を斬り伏せる。
残り一体が俺に突っ込んできた。
「えっ!? ちょっ、待って待って!」
逃げようとしたら足がもつれ、俺は派手に転んだ。
ゴブリンの棍棒が振り下ろされ――地面にめり込む。
「あぶねっ!」
反射的に体を転がす。
その拍子に地面に落ちていた石を掴んで、ヤケクソでゴブリンに投げつけた。
「うおりゃああ!」
石はゴブリンの額にクリーンヒット。
「ギャアッ」と絶叫して倒れる。
……沈黙。
俺は呆然と立ち上がった。
「…………俺、勝った?」
「お、おい……」
ライラが目を丸くしていた。
「今の、偶然……だよな?」
ミリアが信じられないといった顔で俺を見る。
「すごいです! 怪我もなく、ちゃんと倒せましたよ!」
ユナがぱあっと笑った。
……どうやら、結果的に俺がトドメを刺したらしい。
戦闘が終わり、三人と腰を下ろす。
「で、改めて自己紹介だな」
ライラが口を開いた。
「私はライラ。剣士で、まあリーダー役みたいなもんかな」
「ミリアよ。魔術師。勘違いしないで、あんたを助けるために呼んだんじゃないんだから」
「わ、私はユナです。僧侶で……回復が得意です。よ、よろしくお願いします……!」
三者三様。
勇敢で頼れる剣士、ツンツン魔術師、癒し系僧侶。
王道パーティかよ。しかも全員女の子。
俺は苦笑しながら言った。
「俺は大野眠。スキルは【ニート】」
「にーと……?」
ユナが首をかしげる。
「つまり“何もしない”ってことかしら」
ミリアが冷ややかに言い放つ。
「いやいや! 俺は“昼寝のプロ”なんで!」
「自慢になってない!」
ライラが盛大に突っ込んだ。
その場の空気は、なんだかんだで明るくなった。
……まあ、この三人と一緒なら、寝ながらでも冒険できるかもしれないな。
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