昼寝してただけなのに、異世界最強と呼ばれています
KABU.
第一章:夢界編
第1話:昼寝してただけなのに、異世界転生しました
――気がついたら、俺は草原の真ん中で寝転がっていた。
「んぁ……? え、ここどこだ……?」
さっきまで俺は畳の上で昼寝していたはずだ。
ニートの真骨頂――昼寝こそ我が人生。
それが、目を開けたら見知らぬ青空と、羊みたいな雲と、広大な草原。
(え、ちょっと待て。これ……異世界転生じゃね?)
何度も夢見たシチュエーション。
でも、現実で体験することになるとは思わなかった。
立ち上がった瞬間、目の前に半透明の文字が浮かんでくる。
【名前:大野 眠】
【年齢:20】
【職業:転生者】
【スキル:ニート】
「…………」
俺は二度見した。
「に、ニート……!?」
スキルの説明欄を開いてみる。
【スキル:ニート】
・睡眠による体力/魔力の回復効果が大幅上昇
・睡眠中に経験値獲得効率が上昇
・働かずに過ごすほど潜在能力が解放される
「…………」
いや、チートじゃん。
「寝てるだけで強くなるとか、俺のためにあるスキルじゃん!」
俺は両手を天に突き上げてガッツポーズした。
世界にありがとう。神様ありがとう。
とはいえ、異世界初心者だし、何もわからない。
まずは街を探そうと歩き始めた。
数時間後。ようやく城壁に囲まれた街を発見。
門番に止められたが、転生者だと伝えると「冒険者ギルドに行け」と案内された。
冒険者ギルドは賑やかな酒場のようだった。
受付嬢に呼ばれて、登録用紙を書かされる。
「お名前は?」
「大野眠です」
「スキルは?」
「ニートです」
「……に、にーと?」
受付嬢の笑顔が凍りついた。
周囲の冒険者たちが一斉に俺を見る。
「ニートだってよwww」
「働かないスキルとか外れすぎだろ!」
「すぐに死ぬに決まってる!」
酒場のような空間に大爆笑が響いた。
「まあまあ、外れでも登録はできますよ」
受付嬢がフォローしてくれたが、目は完全に「かわいそう」って言ってた。
そのとき。
「おい、新人!」
振り向くと、三人組の女性冒険者が立っていた。
赤髪ショートの快活な剣士。
黒髪ポニテのツンとした魔術師。
金髪三つ編みのおっとり僧侶。
「……なに?」
「私たちのパーティに加わりなさい!」
突然の勧誘。
「え、なんで俺?」
「新人はまず経験者と一緒に依頼に行くのが決まりなのよ」
ポニテの魔術師が冷たく言い放つ。
「だ、大丈夫ですよ。危険なことは私たちが守りますから」
僧侶が慌ててフォロー。
剣士の少女はにかっと笑って手を差し出してきた。
「私はライラ! こっちはミリアとユナ。よろしくな!」
「あ、ど、どうも……大野眠です」
俺は握手しながら思った。
(美女三人パーティとか……完全にラブコメじゃん……)
こうして俺は半ば強制的に、彼女たちと行動を共にすることになった。
翌日、最初の依頼が決まった。
「街道に出るゴブリンの討伐だ」
受付嬢の声に、またギルド中が笑った。
「ニートがゴブリン退治www」
「死ぬなよー!」
……笑えねぇ。
俺はため息をつきつつ、仲間たちとギルドを後にした。
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