銅貨は命の暗喩なのでしょう。銀貨でもなく、金貨でもなく、鈍い輝きを放つ銅貨こそ、命の真実に近い感じがするのです。せっかく拾った銅貨。なんでもない銅貨かもしれませんが、それは、世界で最も尊い硬貨なのです。その銅貨を大切に携えることは、命を大切に扱うことと同義なのでしょう。命の深淵を描いた、味わい深い1編の詩。