Death人狼② 第二話
食堂に集まる。全員がいる。つまり夜の襲撃は無かった。
「今度は僕だ……死にたくない……」
まだぶつぶつとつぶやいている蓮。完全に心が折れている。
「うるさいから黙ってくれない?」
「の、望くんっ! ひ、ひどいよっ! 望くんも僕に投票する気なんだ! もう嫌だよぉ……帰りたいよぉ」
泣き出す蓮。
「はあ……うるさ」
望は露骨に嫌そうな顔をする。
「皆さま、朝食が済みましたら、広間へお集まりください」
広間に行く。本来なら議論の時間だが、蓮が暴れだすので必死に押さえつける。
「離してよぉ! い、今すぐここから逃げなきゃ!」
「馬鹿野郎! お前、ルール違反で死ぬぞ!」
「じゃあどうすればいいんだよ⁉」
「知るか!」
「うわあああああん!!! 帰りたいよぉぉぉ!!!」
泣きじゃくる蓮。一度も議論をしない内に、時間になってしまった。
「投票の時間です。投票箱に投票用紙を入れてください」
連は泣きながらも投票する。
「開票します。今回、追放されるのは……村上杏奈です」
「はっ⁉」
「な、なんで……」
みんなが驚いている中、連が胸をなでおろす。
「ぼ、僕じゃなくてよかったあ……」
「はあ⁉ 杏奈が死ぬんだぞ⁉」
「僕の代わりに死んでくれるんでしょ? 感謝はしてるよ?」
連はもう泣いていなかった。大きな目をぱちぱちとさせる。
「てめえっ!」
悟は殴ろうとする。
「ルールを覚えてない? 暴力は禁止だよ」
「……チッ」
悟は殴るのをやめる。
「杏奈。絶対に生き残って生き返らせてやるからな」
「はい……待ってます」
杏奈の手がじわじわと紫色に染まっていく。腐食だ。ゴミの臭いが漂い、手が、足が、朽ちていく。体にうじが湧いてきた。杏奈はゆっくりと倒れる。ぴくりとも動かなくなった。
「絶対……生き返らせてやる!」
そう決意する悟をGMはにこにこと笑いながら見ていた。
杏奈の部屋の扉には×印。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます