さようなら

十二水明

さようなら

 一ヶ月と十八日前、僕は永遠の別れを経験した。

 もう、彼女のあの木漏れ日のような笑みを見ることも、絹のような声を聴くことも、隣に並び、手を繋いで歩くことも、二度とできない。そう思うたび、耐え難く鋭い痛みが心を襲う。

 目許めもとを拭おうとした手は透きとおっていて、ますます涙が止まらなくなった。

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さようなら 十二水明 @Ilovepotato

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