【Natsumi's side】


「仲良かったの?」って、秋穂は言った。

 あの時の、少しだけ拗ねたみたいな、迷子みたいな顔。忘れられない。

 私が、あの子にあんな顔させちゃったんだ。

 あの時と同じだ。

 私が先頭に立って、勢いだけで突っ走って、結局めちゃくちゃになる。

 期待に応えようとして、全部壊した。

 あの体育館の冷たい空気。もう二度とごめんだ。



 ……なのに秋穂は、何も言わずに隣を歩いてくれた。

 ごめんね、秋穂。そして、ありがとう。

 もう間違えない。

 次は、私がちゃんと、君の道を照らしてあげる。

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