適切な言葉ばかりに囲まれて窒息してしまいそうな世界

不適切言語撲滅法が施行されたディストピアの物語。
まさに言葉狩り。「不適切な言葉」が法律で定められてしまった世界に、ぞっとしました。

「知らない、知らせない、言わせない」——その果てに、なぜ禁忌とされたのかすら忘れられてしまう流れの恐ろしさが、静かに胸に迫ります。

「真綿で首を絞める」というような表現も、この世界ではきっと使えないのだろうな……と想像しました。

違和感や息苦しさが鮮やかに描かれていて、読後もしばらく余韻に浸っていました。
素晴らしい作品をありがとうございました。