第2story なんで

理衣が「ほら?もう、お昼だよ」と真梨の元にやって来た。


真梨が「何で?何で、そんなに私の言う事を嫌がるの?」と心の中で言葉にならない声がこだまして居た。


涙が目から頬に伝い、顔を下に背けた真梨が居て、理衣が「どうかしたの?何かあったら私に言ってよ」と真梨に声を掛けたが、食事もろくに摂らずに眠って居た。


真梨は外に出て、車椅子で家から移動した。


もう、何処からか桜の木の下で、風に乗って何処からか桜の花びらが飛んできて居た。


そこには真百合は、何処にも居なかったので真梨は「そうだ。散歩をしよう」と風の囁きに耳を傾けながら車椅子で神社の道を歩き始めた。


神社に真百合が居て真梨が「ね?さっきは何か気に障った事を言ったなら謝るよ。ごめんなさい」と素直にお辞儀をした。


真百合が「良いよ。どうせ、私の気持ちなんざ誰にも分からないんだから、そんなに気を遣わなくていいよ」と素っ気なく返事を返した。


病院の看護婦さんが「桜井さん。そろそろ病院に戻りましょう」と車椅子を後ろから引いて車に乗って病院へと向かった。


その真百合の車椅子には、聖松病院と言う名前が黒い文字で書いてあった。


それを見て、真梨が私と同じ病院だったんだとビクッと驚いて居た。


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