奇妙な世界に降り立つ兄妹。その世界の魅力に震えろ【如月睦月氏の作品】
【まず最初に】
話の進行をする羽鐘司令の言葉は「」、スマホ少尉の言葉は『』で表示します。
――――――――――
第十四回
作戦名 :奇妙な世界に降り立つ兄妹。その世界の魅力に震えろ
支援作品:如月書店
作品著者:如月睦月
『そういえば、司令って絵を見るのが好きですよね』
「どうしたスマホ、藪から棒に」
『そんな死語、誰も使いませんよ。Z君も先日愚痴ってましたよ。司令は化石みたいな言葉を使うって』
「おじさんだからなぁ、仕方ないんだよ。いや、そう言ったら老害だな、気をつける。確かに絵を見るのは好きだぞ」
『色んな絵を見ますよね。イラストから歴史的な絵画、風景画も好きなようですし、ムフフな画像も頻繁に見ているようですね。アクセスログを全世界に配信します』
「やめろ! お願いだからやめろ!」
アクセスログや秘密のフォルダは
、全ての人類に等しく与えられた
その様子に、スマホは、羽鐘の弱味を完全に掴んだと確信した。
『さて、この作品ですが、作者は司令の友人であり『絵仕』を名乗ってますね』
「そうだ。知り合って何年経つかな? 実はかなり長い。個人的には友人というより、例えるなら兄みたいに感じられる存在という感覚だ。友人の絵は凄いぞ!」
『確かに迫力がありますし、かなり細部まで書き込みがありますね』
「そうなんだ。そして、作品紹介の前に絵に触れたのは、出発点が絵にあるからだ」
羽鐘がスマホに命じ、作者のnoteを開いた。
様々なイラストが展示されているなか、一つのイラストを表示させた。
『如月書店』と銘打たれており、お面を被った兄妹らしき少年少女と、背の高い女性が、書店に立っている構図だ。
もちろん書店の名前は『如月書店』だ。
『普通ではない雰囲気を感じます。怪しげであり神秘的、この世のものとは思えません』
「実際この世ではなく、異世界と言える場所だ。オランジェットとクラフティの兄妹は両親の死をきっかけに、財産の乗っ取りを計画する叔父家族が家に乗り込んできて酷い目に遭うことになる」
『児童虐待で通報します』
「許可する。私も作者に、叔父家族にビンタさせろと訴えたほどだ。ある日、叔父家族が留守の時に、兄妹は家の中にある隠し部屋を発見する。そこには冒険家だった母の旅の記録がつまっていた」
『この時点でワクワクしますね』
スマホは楽しそうに通知ランプを明滅させた。
自らの力での移動手段を持たないスマホにとって、旅は憧れなのだ。
「その隠し部屋には、母の日記がある。そして日記には、人の記憶が記載された本を取り扱う、如月書店への行き方が書いてあったんだ」
『それで兄妹は、如月書店に行くために異世界へと向かうのですね』
「その通りだ。現在の進行はそこまでだ。10月5日現在で17話4万文字。追い付ける数字だ」
『読者が追い付きやすいタイミングで紹介したわけですね』
スマホは、羽鐘が意外と考えてるなと考えた。しかし、すぐにただの偶然だと考え直した。
羽鐘の500キロバイトに満たない容量の脳ミソでは、そんな風に考えるのは不可能なのだ、と。
「小説を追うだけなら、そうと言えるが、本質はそこにはない。最初にイラストの話をしたな? 如月書店に関するイラスト、実は結構ある。そのどれもが奇妙な世界を兄妹が冒険している様子が描かれている。現段階まで読めば、このイラスト達が持つ意味を理解し、読みたくなる欲求が高まるタイミングだと思ったからだ」
『イラストが持つ意味、ですか?』
「そうだ。兄妹は、如月書店のために異世界にたどり着いた。では、現世に戻るには? その現世への旅路が、実はイラストという形で既に提示されているんだ。読みたくなるネタバレが作者の圧倒的画力のイラストで提示されている。これは面白い!」
『なるほど』
スマホは、羽鐘の意図が『如月書店』という文とイラスト両方の作品を支援することであると気付いた。
何か悔しくなったので、羽鐘の秘密のフォルダを勝手に消去しておいた。
「イラストの力は一目見れば伝わるから多くは語らない。そして、今回の作品は間違いなく面白い。友人という人間関係以前の話で、面白い作品を支援しないという理由はないんだ」
『なるほど、わかりました。では支援砲の準備を始めます』
「よし、今回も標的を正確にとらえろよ!」
羽鐘は、素晴らしい作品を支援する喜びに震えながら、応援ハートの一斉射撃を令した。
無事に作品が支援されることを祈りながら。
そして、秘蔵のファイルが何故か全て消えていることを知り、肩を震わせながら慟哭の涙を流した。
秋の風が冷たさが、羽鐘の身を裂いた。
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作者支援司令室からの連絡
①
『羽鐘司令とスマホ少尉』ですが、今後の更新のための読者期間を設けるため、少しの間、お休みします。
次回更新は未定です。
作品の支援が決まっていて、まだ紹介されていない作者様及びご愛読いただいている読者様にはご迷惑をおかけしますが、ご理解いただけると幸いです。
そんなに時間をあけるつもりはありません。
②
『羽鐘司令とスマホ少尉』の表紙絵の作成を依頼しています。
担当は『羽鐘の詩』の表紙絵を描いてくださった「ながいもさん」です。
前回はキャンペーンにより500円という破格の値段であり、素晴らしいイラストへの対価として見合わないと思っていたので、どうしても正規料金で仕事を依頼したい気持ちがあったのです。
完成次第、お披露目させていただきます。
以上
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