第15話
アラタは運営からの告知を確認する。
「第1回スコア競争か。面白そうだな」
概要を読み込んでいく。
チームを組むことも可能とのことだがアラタはチームを組むメリットを感じていなかった。
高速巡洋艦であるステラは現在、他のプレイヤーよりも船速がかなり早い。
戦闘力にもかなりの開きがある。
他のプレイヤーと手を組めばそのメリットを失うことになる。
チームには雇ったNPCや購入したAIを登録することも可能とのことなので手持ちの高速巡洋艦ステラ10隻で挑めばいいだろう。
「さて・・・。数は力というけれど今から増やしてもAIの育成は間に合わないだろうな」
初期のAIはかなり弱い。
数も増やしたいところではあるが初期戦闘力を考えれば足枷になりかねない。
「と、なると・・・」
アラタは今、出来ることを考える。
「手持ちのAIの強化かな。中型の戦闘艦が多いから稼ぎもいいし今までと同じでいいか」
アラタは深く考えることなく現状を維持することにして資源コロニーを後にした。
腕が鈍らない程度に戦闘に参加しつつAIの育成に力を入れる。
アラタの操船と比べまだまだAIの操船には改良の余地はあるがそれでも初期の頃と比べれば雲泥の差だ。
時間の許す限り宇宙海賊を討伐し今日の稼ぎを確認してログアウトする。
「さてさて。他のプレイヤーの状況も確認しておくかな」
アラタは星屑の勇者達の攻略板を開き情報収集を試みる。
サイトの上部にはイベントの仲間募集のスレッドができていた。
クリックして確認してみれば乗っている船や現在集まっている人数などが書き込まれている。
多いところでは50人近いプレイヤーが集まっているところもあるようだ。
「うわぁ・・・。これだけの数だとやっぱり判断を誤ったか?」
直接対決なら負けない自信があるがこの手のイベントでは数こそが力だ。
スクロールして他にも情報がないか確認する。
すると、アラタはほっとさせる状況が書いてあった。
どうも数を集めたのはいいものの連携に問題があるようだ。
今まで少数のプレイヤーで集まって宇宙海賊狩りをしたことはあってもこれだけの人数で動いたことはないのだ。
プレイヤーの腕も良い人もいれば悪い人もいる。
そんな状態で集団行動をしようと思えば色々問題が出てくるのも頷ける話だった。
これからイベント開始までに多少は改善するだろうがそれでも簡単に解決できる問題でもない。
「心配しても仕方ないか。出来ることをやるだけだな」
アラタはそう決意して明日からも頑張る為に食事を取ってから体を休めることにした。
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