貴族でありながら「獣好き」の噂を自ら立てて軍人となったシートンが主人公

彼は、王国で差別され、まともな戦力と見なされない獣人が集中配備された国境部隊に配属されます。平和な状況が一変し敵国の大軍が侵攻する中、シートンは獣人たちの「獣心」を掌握し、彼らの能力を最大限に活かした大胆な戦術で圧倒的劣勢からの撤退戦に挑みます。その快進撃が、後に「獣王」と呼ばれる男とその部隊の伝説の始まりとなります。

ガチの「戦記モノ」としての面白さがあります。
獣人が「ただ人間に耳や尻尾が生えた」存在ではなく、動物の側面が強く出ているような、凝った設定がされている点が興味深く面白いです。

主人公シートンは、獣人好きというタブーを逆手に取り、差別される獣人たちの信頼を得ていく変わり者でありながら有能な軍人として活躍しています。

これまで見向きもされなかった獣人の力を引き出し、部隊を率いるカリスマ性が魅力となっています。

戦略的な面白さと、獣人の個性を深く掘り下げたファンタジー設定の妙が融合した作品と言えそうです。

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