第3話・旅の仲間2号登場……ついでに魔姫の両親も登場
森の本道から少し横道に入った場所に、ペンション風な宿屋があるのを、目がいいミセリアは発見した。
木々の茂った枝葉が、森の本道から入った小道にある宿屋の吊り看板を隠すような場所にあるので、気づかないと通り過ぎてしまうような宿屋だった。
魔姫とミセリアが宿屋の近くに行くと、ちょうど宿から出てきた看板娘が、宿の入り口にランタンの灯りを吊るしているところだった。
宿の看板娘が魔姫とミセリアを見て言った。
「いらっしゃいませ、よくこの宿を見つけられましたね……小道にある宿の案内看板が、茂った枝葉に隠されていて、そろそろ枝葉を切ろうかと思っていたところなんですよ」
魔姫とミセリアは、宿の部屋に案内された。
魔姫とミセリアは、ベットがくっつけて並んだ、部屋に案内された。
部屋に入ったミセリアは、ラブホテルのようなベットの配置に頬を引き攣らせる。
「なんだ、このベットの置き方は……まさか、この宿は」
魔姫が「ちょっと、宿の中を見てくる」と言い残して、部屋を出てから数分後──隣の空き部屋から、女性の喘ぐ声が薄い木の壁を通して聞こえてきた。
「あふぅぅぅ、いやいや、お客さんのテクニックしゅごい……あふぅぅぅ……しゅごい、しゅごい」
「ここか、ここがええんか……ほれ、ほれ」
明らかに魔姫の声と、宿の看板娘が隣の部屋で魔姫から何かをされている声だった。
ベットの端に座ったミセリアは、聞こえてくる喘ぎの声に赤面する。
女性同士の何かをしている声がやんで、しばらくして魔姫が部屋に戻ってきて笑顔で言った。
「まだ少し食べ足りないなぁ……デザートにミセリアを食べるか」
防具を外しているミセリアに近づく、魔姫に身の危険を感じたミセリアは、両腕で体を抱き締めて隠す。
魔姫が命じるような口調で言った。
「胸から手をどけて、生乳見せて」
ミセリアの手が胸から離れて、さらに衣服をめくり上げる……ミセリア・ステラの手は異世界のブラジャーを押し上げて乳房を露出させた──条件反射のような体の反応に驚く女騎士。
「えっ、なんで?」体が勝手に?」
魔姫の手がミセリアの乳房に伸びて触りながら言った。
「従心なミセリアは、その体にあたしの命令に従うように、刷り込まれているの……さあ、今夜も楽しみましょう」
そう言って、魔姫はミセリアの体をベットに押し倒すと唇を奪った。
両目を見開いて、間近の魔姫の顔を凝視するミセリア。
「うぷッ? うぅんん」
強制的な百合キスだった、キスをされながらミセリア・ステラの体は魔姫に弄ばれた。
◆◆◆◆◆◆
朝チュンの声が、カーテンの隙間から差し込む朝日と一緒に聞こえていた。
宿の入り口に立った魔姫は、すがすがしい顔で大きく伸びをした。
「んんッ……最高の朝、楽しかった」
魔姫の後ろに立つ、ミセリア・ステラは白抜き楕円の目で放心状態で呟いた。
「最低の朝……あたし一晩中、なにされていたの?」
出発する前の魔姫に、宿屋の看板娘が顔を赤らめてお弁当を差し出した。
「お姉さま……これ、持っていってください、またこの宿に寄ってください」
「ありがとう……次に泊まる時は、もっとスゴいコトをしてあげるから」
「あふぅぅぅ……お姉さまぁぁ」
宿屋の看板娘は、股間を押さえて壁に腰砕けで寄りかかった。
◆◆◆◆◆◆
森から出て草原を逃亡旅を続ける、魔姫にミセリアが質問する。
「ところで、どこへ向かっているんだ?」
「話さなかったかな〝銀のリンゴ〟がある場所」
「その銀のリンゴがある場所って、どこなんだよ」
立ち止まった魔姫が、少し考えてから言った。
「聞いてもビビって、逃げ出さないって約束できる?」
「約束する……だから話して」
「じゃあ、話す……銀のリンゴの木の所有者は情け容赦がない女魔王……特に女が好物で好みの女を捕まえて……喰う」
魔姫の言葉を聞いた途端に、ミセリアは慌てて逃げ出した。
魔姫が逃げるミセリアの背中に向かって取り出した横笛を吹くと、ミセリアはUターンして戻ってきて。
犬のような格好で座って、はぁはぁはぁと魔姫の前で舌を出した。
「よしよしよし、お手」
「ワン!」
条件反射で手なづけられたミセリア・ステラは、魔姫にお手をする。
ハッ! と我に返ったミセリアが赤面して立ち上がると、震えながら
「ナニをしてきた……今まであたしの、この体にナニをしてきたんだ」
「毎晩、仕込んで調教してきた……ミセリア・ステラは、あたしの言いなり人形」
「あんたねぇ」
◇◇◇◇◇◇
その時──馬車が近づいてくる音が聞こえてきた。
魔姫がその音に嫌な顔をする。
「まいたと思った追っ手が迫ってきた……しかも、この馬車の音は王室の」
逃げるのを諦めた魔姫の前に、一師団の兵士隊と王室馬車が現れ魔姫の前に馬車が止まる。
馬車のウィング扉が開いて、中に座っている厳格な表情をした、国王と王妃が現れた。
魔姫は、自分の父親と母親である国王と王妃を見て、指を立てて言った。
「絶対に城には帰らないからね……〝城から飛び出せ! 王女さま〟をやると決めたんだからね」
馬車から降りてきた、威厳の風格の国王と王妃が娘の魔姫の前に並んで立つ……途端に、国王と王妃の態度が急変した。
顔を涙でグシャグシャにしながら、国王と王妃が娘の魔姫に泣きつく。
「魔姫、城に帰ってきておくれよぅ──パパは、さみしいよぉ」
「ママも怒らないから帰ってきてぇ……城なんかいくら壊してもいいから」
完全な親バカの国王と王妃だった。
魔姫は両親に指を、もう一度立てて言った。
「イヤだよ……あたしは、自由に生きるから邪魔しないで……お父さまもお母さまも、城に帰って──旅の路
魔姫は、馬車の後方で両手足を丸太にケモノ縛りされて、担がれている顔色が悪いメイドを指差して言った。
「ゾンビメイドの【
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