第じゅうよん話 合掌
(自転車の走行音)シャーーーシャッシャッシャッ
「見えた。」
「見えた見えた。」
「見いぃつけた。」
【電車の線路の向こう側。
満開のソメイヨシノのその奥に、白い高貴な大仏様がいるよ。】
「この踏切だ。」
【この踏切のランプに違いない。
見る角度によってサングラスになるんだ。
『サングラス大仏』で検索すれば出てくる画像は、
ここが現地なんだ。】
◾️挿絵あり◾️サングラス大仏◾️
https://kakuyomu.jp/users/moogot/news/16818622175991860007
「電車と桜と大仏!!
【
自転車を放り出して、スマホを構えている。電車好きだもんネ。】
「早く電車来ないかなぁ。」
「どこから見たらグラサンになるんだぁ?」
【みんな、うろうろ歩き回っている、面白い。
しゃがんで、視線を下から見上げてみたり、
回り込んで角度を変えてみたり。
徐々にポイントを絞っていくと、、、。】
「ここ、お墓だよね。」
「お墓だね。」
「この中だよね。」
「そうみたい。」
「ちょっと怖いよ。」
「入ったら、怒られないかな。」
【みんな、どうしようって顔してる。】
「あ!あぁあぁぁぁ!」
【あぁ!
「ほら、見つけた、ここよ、撮影ポイント!」
【みんな、
【ニコォ!っと笑顔で確認しあったよ。】
「どこどこぉ!?」
「
【みんなで墓地の敷地内へ駆けて行くよ。】
「こらぁ!
【あ!あたしもかな!?足の置き場、ちょっと引っ込めておこ。】
「お墓の区画と通路があるから。通路からはみ出たらダメよ!」
「通路ならいいの?」
「うーーん、少なくとも、区画に勝手に入ったらダメよ。
お亡くなりになった方に敬意を払って、
お世話している方の気持ちを考えて。
、、、通路ならいいんじゃないかな。
きっと、うちのおじいちゃんもそう言うよ。」
「少なくとも、踏み荒らしたり、
ゴミを残したりしなければ、いいんじゃないかな。」
「ここだ!」
【問題のポイントに立って、少し中腰になって、大仏様方向を見ると、
踏み切りの二つ並んだ赤いランプと、
大仏様の両目が重なる、ピンポイントがある。
ここから見ると、大仏様がサングラスしているように見えるんだ。
エモい!エモい!エモい!
最初に気づいた人、エライ!】
【改めて、大仏様を見ると、
周りを守るように桜並木。
淡い淡い桜色の中から、優しいお顔。】
「きれーい。」
「スイーツめぐりで買い付けしたら、
もう一度ここに戻って、お花見しよう。」
一同
「そうしよう♡」
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