のっぽのひまわり

みぃ

じわじわり




恋に落ちて

覚えたての歌を口ずさむ

言葉はまだうまく紡げず

音程もたどたどしいけれど

この胸に溢れる想いを

なんとか君に届けたくて

ただひたすらに

歌い続ける

拙い歌声が

少しずつ 少しずつ

恋の形になっていく

どうかこの歌が

君の心に届きますように

優しい空に響く

不器用過ぎる

恋のうた







あの日々の熱が 思い出に変わる

真夏の刺激 素肌にのこる

じわじわと しずかに溶けてゆく

あざやかに開いた

背高ひまわり

穏やかに季節を見守っていたね

風が通り過ぎるたび

かさかさと 葉が揺れる

夕暮れの空は ほんのりあたたかく

やわらかな光に包まれて

夏の終わりに そっと手をふった



少しずつ 少しずつ

かわりゆく ココロのかたち


いいえ こころは


かわることない


ただ あるべき姿に


目覚めてしまう



少しずつ すこしずつ


永遠の存在にきづいてゆくから




交差点の 鳩がなく

忙しなく流れ始める ひとの群れ

わたしは

ゆっくりと わたりだす


低空を飛びまわる

赤とんぼ


畑が 黄金色に 染まっている


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のっぽのひまわり みぃ @miwa-masa

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