19話 ゼーベルと名乗るもの
「「「え?雷魚が消えた??」」」
一行は頭の中が ? だった。
「え?え?雷魚兄ちゃん??」
戸惑っているところにムッシーがやってきた。
「あ!見つけたむし!ごめんむし、威力間違えたむし………………………」
一行の表情を見てムッシーはきょとんとした。
「雷魚兄ちゃんがきえたんだよ。」
「え?」
ムッシーに知っていることをはなす。といってもそこまで多くはない。
「なるほど、たぶんだけど、この中にいるむし。」
宮殿を見上げていった。
「なんでわかるの?」
晴魚が不思議そうに言った。
「強い妖気とそこそこの妖気が感じられるむし。たぶん強い妖気はこの宮殿の
主のようなやつでそこそこの妖気は雷魚のものむし。多分ね。」
「「じゃ、じゃあ、入らなきゃいけないの??」」
もちろん晴魚と小魚はびびりまくり。
「だね!いこう!」
ノエルは大歓迎。
「「レッツゴー!(むし)」」
ノエルとムッシーが宮殿に駆け込んでいくのを宝魚、小魚、晴魚は急いでおいかけた。
一方雷魚は………………………
まったく………………………なんで俺だけなんだよ、その場の全員だったらまだ救いはあったのに………………………ちなみにいまは迷っている。文字通り迷宮だ。そして薄暗い。こわい、まじで、一人だから。曲がり角とかお化けが出てきそうで………………………むりぃ!もし小魚か晴魚だったらもうとっくのとうに気絶しているだろう。そのくらい怖いのだ。がちで。
しばらく歩いていると大広間のようなところに出た。きょろきょろしていると、壁にあるトーチに真っ赤に燃える炎がついた。
「ぎゃーーぁす!!」
驚いておもわず大声発してしまった。ものすごく響いた。俺の悲鳴ともう一つの声が…
「なんだなんだ?久しぶりの客かと思えば雑魚じゃねぇかよ。」
声が聞こえる。子供っぽい声が…だがここに来て初めての人だ。怖くはない。それにしても初対面の人に雑魚とはひどい。
「あの…………俺は雷魚といいます。友達と特訓してたら宮殿のようなところの前にふっとばされて気づけばここにいたんです。」
「そうか、そうだろうな、俺の弟子の"タールム"は戦い好きだからな。きさまを強者とみて中に招き入れたんだろう。まっ、俺からしたら雑魚だけどな!」
なんだこいつは?イキってるのか?声は聞こえるが、姿は薄暗くて見えない。
「ここから出たいんですけど………………………」
無理だろうが試しに言ってみた。
「うはははははははは!!!!!ここから出たいか!!なかなか面白いことを言うな!!!俺はかまわない。だがタールムがお前を逃がすとは思わない。残念だったな!うはは!!」
断られるどころか馬鹿にされた。
「あの、あなたの名前は?」
「俺か?俺の名前は"ゼーベル"だ。」
ゼーベル?たしかズベル先生は ゼーベ……………………… と言っていたような………………………まさかこいつ…学校七不思議のリーダーか???っと、まだ確信するのには早い。やつは自分の名前を言われそうになったら首をはねた。それが軽々と名前を公開したのだ。それとディングは髪型はオールバック、服はジャージのような服、そして紫のマントをきていると言っていた。こいつの姿を見るまで確信はできない。
「お姿を現していただけないでしょうか??」
ちょっとダメな聞き方だったかもしれない。ゼーベルの機嫌を損ねたら二ついけないことがある。一つ、怒らせて何も教えてくれなくなる可能性がある。もう一つ、単純に殺される可能性がある。
「ふっふっふ、姿を見たいか………………………いいだろう。見せてやる。だがしかし一つだけ条件がある。弟子のタールムと戦って勝利をおさめる。それだけだ。簡単だろ?タールム!お客様がお待ちだ!」
ゼーベルは指パッチンをした。パチン!という音が響いた。その瞬間目の前に杖を構えた男がいた。身長は同じくらいだ。髪型はちょっとぼさぼさだ。その男が
「まずはお手並み拝見だ。"トゥルム"!」
と唱えたら高さが一メートルほどに縮小されたピサの斜塔のようなデザインの塔がとんできた。
「あっぶね」
間一髪でかわす。
「この程度で間一髪か。雑魚だな。あの中で一番強そうだから中に招き入れたが………………………かなりの雑魚だったようだな。」
そうか、これはチャンスなのか。今の自分を超えれるチャンスなのか。毎回毎回ムッシーに頼っている。"図書館のポルターガイスト"でもムッシーが長い間ディングの相手をしてくれたおかげで勝ったといっても過言ではない。まずムッシーがいなかったらディングを見つけられなかっただろう。それにみんなの協力があってこそ勝てた。だが今は俺だけだ。自分の力を試すのだ。大丈夫。おそらく俺は強いほうだ。一年生最強決定戦でも2位をとれたんだ。一年生のなかでは有能な方のはず。恐れるな!こいつはミニチュアのピサの斜塔を投げてくるだけだ!こんなの俺の雷で焼き尽くしてやる!
「ドゥルフ!」
雷がふった。だが、タールムは動きもせずに防御魔法で防いだ。
「俺は雑魚が嫌いだ。さっさと死んでもらう。"トゥルム リーズヒ"!」
今度は五メートルほどの大きさ。関係ない。防御魔法で………………………防げない。軽々と防御魔法を貫通し、吹っ飛ばされた。
「ぐ………………………」
「雑魚が!トゥルム!」
「ぐあぁ!」
壁とトゥルムに挟まれて腹に激痛。威力が高い!完全になめていた。まずい、このままだと死ぬぞ…………やっぱり俺は力不足だったか………………………
「トゥルム」
今度は頭に直撃。一瞬意識がとんだ。いや、もう飛んでいた。一瞬意識が飛んだと思えばすぐに意識が戻り、次の瞬間完全に意識が飛んだ。
「ふっ、雑魚が。貴様がこんなにも雑魚だったとはな…………がっかりだぜ。久しぶりに楽しい戦いができると思ったが…………残念だ。ゼーベル様。このものの始末はゼーベル様に任せてよろしいでしょうか?」
「いや、いい、お前に任せる。」
「ありがとうございます。ではこいつを………」
と言いかけた瞬間ものすごい魔力が宮殿の中に侵入したのを感じた。
「タールム。感じたか?ものすごい魔力を…………」
「はい。いままでにないくらい強大な魔力です。招き入れましょうか。ひさびさに本当に楽しいバトルができそうです。」
「おい、タールム。なんか邪魔な雑魚どもが一緒に入ってきたぞ。」
「ほんとですね。こいつらはいらないんで"宮殿"から出しますか。」
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