16話 作戦を考えろ!
総攻撃。
「ドゥルフ!」
「エーデルシュタイン!」
「シュヴァハ!」
「シュネーシュトルム!」
防御魔法で防がれる。
「ゼプラデ」
ドオオオオオオオオン!!!!と本棚が床や壁にあたる音はもう慣れていた。立て続けにいろいろ投げてくる。逃げ回るだけで反撃はできない。これじゃ最初と同じだ。ムッシーのようにかわしつつ反撃。ということはできないのだろうか?できると思う。仲間と協力すれば。だが、もちろん作戦会議などしている暇もない。今できることはどうすれば勝てるか考えるだけだ。総攻撃もダメ。いや、そもそも攻撃もダメ。全部防御魔法で防がれる。なら…………ムッシーが復活するまで逃げ回る?一瞬この考えがよぎったがこの考え方は論外だった。まず、学校七不思議を解決したい理由は俺たちもできるんだとムッシーに見せつけるためでもある。これじゃムッシーに頼っている。その考え方ではこれからの学校七不思議を解明できやしない。ムッシーに頼るな!俺たちで何とかするんだ!考えろ!考えろ!……………………………………………………………………………………………………………………………………………………そうだ。これなら………………………
「宝魚!エーデルシュタイン ゼーリエを撃ってくれ!」
「え?うん。わかった。エーデルシュタイン ゼーリエ!」
もちろん防御魔法で防がれる。
「晴魚!重力がかかるシュヴァハを撃ってくれ!」
「わかった。シュヴァハ シュヴェアクラフト!」
「うがぁ!」
ディングは四つん這いになって苦しんだ。そうこれが俺の作戦だ。エーデルシュタイン ゼーリエの連続技で防御魔法の強度を下げる。そこにシュヴァハ シュヴェアクラフトをうって防御魔法を壊す&重力をかける。誰でも思いつく簡単な作戦だが。ほら、焦ってるときって頭の回転遅くならない?その現象(?)のこと。
だがこれで大きな隙ができた。
「シュネーシュトルム リーズヒ!」
四つん這いのディングに巨大雪だるまが追加された。
「ぐああああぁ!!!」
「ナイス!ノエル!」
「ありがとう!総攻撃いくよ!シュネールシュトルム!」
「ドゥルフ スフェール!」
「エーデルシュタイン ゼーリエ!」
「『シュヴァハ フィジックス』!」
ノエルの普通に痛そうな攻撃!俺の球体攻撃!宝魚の連続攻撃!晴魚の杖から紫の小さい槍のような物体が大量に出てくる攻撃!で大ダメージだ。
よし!いけるぞ!また総攻撃を仕掛けようとしたが晴魚の弱体化がきえ、ノエルの雪だるまも崩れてしまった。だが、ずいぶんとダメージは与えた!動きが鈍くなるはずだ。たしかに鈍くなった。ほんの少しだけ。またひたすら逃げ回る戦法が開始された。さっきのようにエーデルシュタイン ゼーリエをうってからシュヴァハ シュヴェアクラフトを撃っても効かない。効かないというか、エーデルシュタイン ゼーリエをよけてからシュヴェアクラフトを防御魔法で防いでいる。ならシュネールシュトルム リーズヒをっとおもって撃ったが防御魔法で防がれる。またあたらしい攻略法を見つけ出さなければならない。エーデルシュタイン ゼーリエの後にシュヴァハ シュヴェアクラフトを撃ってからさらにシュネールシュトルム リーズヒを撃ってもダメ。順番を変えてもダメ。ああああ!!技の名前ばかり考えていたら頭がバグりそうだ。急に飛んでくるものの数が減った。ノエルも減ったように感じた。晴魚は…………おおい!面倒な魔法だから早めに戦闘不能にさせたかったのだろうか?助けに行きたいが晴魚の周りにあまりにも多く物が飛んでいくのでむりに近づいたらこっちが戦闘不能になるだろう。晴魚はいい感じによけていたが足をぐねってしまった。
「きゃぁ!」
こけて動けない晴魚に本棚が降ってくる!
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
と思ったら白い光線が本棚を破壊した。まさか…と思い、一階に目をやる。小魚!復活したのか!
「みんな!僕も参戦するよ!」
ありがたい。すごくありがたい。小魚は浮遊魔法でこっちにきた。
「ありがとう、小魚君。」
「晴魚、無事でよかった。」
「!、くるぞ!」
宝魚の声でハッとした。危機一髪。椅子をよけた。そうだ、まだ敵は残ってる。
「ベーゼトゥーテン!!!」
小魚はノーガードでベーゼトゥーテンを撃った。
「ばか!!」
思わず叫んでしまった。小魚はなにもわかってない。仕方ないことだが…………
もちろん防御魔法で防がれて反撃。
「ゼプラデ!」
椅子が小魚にあたって吹っ飛ばされる。さらに机の足が小魚の腹に直撃して吹っ飛ばされる。
「うううぅ」
苦しんでいるところに本棚が…………!ドオオオオオオオオン!!!という音に普通はなにもおもわないが(かなりくるってる)今回ばかりは心臓が止まりそうになった。
小魚は血だらけだった。いつもひどいめにあっている。かわいそうだ。俺は小魚の兄なのだ。弟を守らなければならないのだ。小魚に駆け寄りたい。だが物が無限に飛んでくる。かいくぐって向かったとしても止まっている暇はなくそのまま横切ってしまう。いま、心臓はいままでにないくらいバクバクしていた。だが………………………小魚は立ち上がった。下を向いたまま。それをみたディングは驚いて攻撃をやめた。俺たちも安心と驚きで体が動かない。
「僕が………………………こんなんで…………気絶すると思った??………………………大間違いだよ!ディング君!!!!!」
杖を構えて顔を上げた。血だらけで希望に満ちた顔だ。
その瞬間心臓が一回だけドックン!!!と強くうった。と思えば小魚からあふれる魔力が格段に上がった。
「「「「「え?」」」」」
ディングもあわせてその場の全員が声をあげた。
「ばかみたいに魔力があふれるよ!いくよ…………みんな!『リインフォース オール』!!」
と小魚が唱えると俺たちも魔力があふれてきた。
「これなら総攻撃できるよ!いくよ!みんな!」
「「「「うん!」」」」
小魚の掛け声で全員が一気に魔法を撃つ!
「ドゥルフ!」
「エーデルシュタイン!!」
「シュネーシュトルム!」
「シュヴァハ フィジックス!!」
「ベーゼトゥーテン!!!」
パワーアップした総攻撃には防御魔法も軽々と貫通した。そしてディングは気を失った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます