14話 情報収集
さて、学校七不思議の解明を任された俺たちだが、いまは聞き込みをしている。二年前から始まったのだから三年生は知ってるはずだ。三年生に出会ったらとにかく聞き込み!得られた情報は
・いろいろなものが宙に浮いたと思えば突然こっちに向かって飛んできて大けが。
・ものが生徒に当たったら不気味な笑い声が聞こえた。
・ポルターガイストがおこったときかなりの魔力を感じた
それだけだった。一応メモを取っているがあまり役には立たなさそうだ。だがこれらから考察できることがある。不気味な笑い声、魔力。おそらく、いや、間違いなく人の魔法によって引き起こされている。それが一体だれか、鎌男同様に教師かもしれない、生徒?それとも一般人?そこまではわからない。だからグランツ校長に相談した。
「物を動かすことができる固有魔法をもった人物って心当たりありますか?」
グランツ校長は難しい顔をしていった
「物を動かすことができる固有魔法か………………………実は基礎魔法でも物を動かせる魔法があってな。『ヴェーゲン』という魔法なのじゃが…………君たちもしっているだろう?」
「そう…………ですね」
しらない。授業はほとんどさぼっているのだ。ほんっと頭に入ってこない。だがそのことを言うと怒られそうなので知ったかぶり。
「だが、そのヴェーゲンは小さいものを運ぶ用のものでな。このわしでも本五、六冊が限界なのだ。それが本棚を飛ばすなど不可能に等しい。だからわしに聞きに来たんじゃろ?」
「あ?そうなん?(小声)そうです!(大声)」
よかったよかった。疑われないか心配だったんでね。
「うむ。わかった調べてやろう。」
そういって本を大量に持ってきた。
「………………………やっぱ君たちも手伝ってくれぬか?」
「「「「「「あ、はい」」」」」」
そして始まった犯人捜し。これはとてつもなく時間がかかりそうだ。魔法学校は全校生徒が253人。一ページに一人の記録。つまり253ページ。って考えたらやっぱあんま時間かからなそうだな。それから15分後…………
「ん?んん!?」
ノエルが発見したような反応。
「見つけた?」
「わ、わたしの固有魔法が"氷"!?私の固有魔法は"雪"だよ?」
「え?ほんとか?すまん。すぐに直す。」
そしてグランツ校長は校長室を出ていった。
「「「「「「…………………………」」」」」」
しばらく沈黙が続いたが作業再開。本をペラペラ。
「あ!あった!」
宝魚が発見。
「俺の記録あった!」
していなかった。
「「「「「ズコォーー!!」」」」」
リアルズコォーー!!がでた。
さらに本をペラペラ。
「あ!あったむし!」
ムッシーのことだ。どうせ小魚の記録があったと言っているのだろう。無視だ無視。虫だけにね。
「えーっと。固有魔法は『物体移動ゼプラデ』で気になる名前は…『ディング』だって。」
と小魚が平然としゃべりだすじゃないか!ま・じ・で?全員が本に顔をのぞかせる。確かに固有魔法は物体移動だ。そのときグランツ校長がかえってきた。
「直してきたぞ。」
「グランツ校長!見つけました!」
「む、みつけたのか?どれどれ」
グランツ校長も顔をのぞかせた。
「そいつは…不登校だ…………」
「「「「「「え?」」」」」」
「三年生だろ?二年前から不登校なのだ。」
二年前から…………学校七不思議が始まったのも二年前…………結果は言わなくてもわかる。間違いない。話を聞きたいところだが…………不登校だからな…
「とりあえず、図書館に行ってみては?」
たしかに、いってみるか。ん?まてよ?グランツ校長は?と、脳内で疑問を言ったのだがそれが聞こえたのかのように言った。
「わしも行きたいところだが…忙しいのだ。そのためにたのんだのだ」
そうだったな。教師たちが解明できるならわざわざ生徒にけがまでさせて解決させたりしないからな。
そしてその日の放課後、六人は図書館の前にいた。もちろん小魚と晴魚はびびりまくり。
「こわいこわいこわいこわいこわいこわいこわい。ものが飛んでくるとか怖すぎだろ。しぬしぬ。普通に。」
「生徒にものが当たったら不気味な笑い声ってこわすぎな。まじで、こわいこわいこわいこわいこわいこわい。」
ぼそぼそうるさい奴らだ。さっさと入ってしまおう。図書館のドアを開けた。ギィーーー、と不気味な音が響いた。
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