6話 さらなる強者たち
「第8試合、超魚VSガイア、入場してくれ。」
右側からは、超魚、そして左側からはごつい男が出てきた。
「よーい、はじめ!」
超魚は杖を前に出してとなえた。
「テネブル」
すると、杖の先端から紫色の1㎝ほどの太さのビームのようなものがすごい勢いでガイアにあたった。しかしガイアは気にもせず超魚に向かって歩いて行っている。そして、それをみた超魚は一瞬で察した。
「あいつの固有魔法は、『鋼鉄の体』(シュタールケルパー)。並の魔法じゃ通用しない。なら、テネブル フォール!」
こんどは、直径10㎝ほどの太さになった。直撃したガイアは、一歩後ろに下がった。
超魚は驚いた。これでも少しひるむだけ?と、ガイアは気づけば超魚の目の前にいた。
「…!?」
意外なスピードに超魚が一歩下がると、逃がさない。と言わんばかりに腹パンをくらわした。
「…フッ、引っかかったな…」
と、超魚が言った瞬間ガイアは2メートルほど吹っ飛ばされて、気を失った。
「体が硬い代わりに、体力はないようだな!」
超魚がじまんげにいった。
「どういうことだ!?!?!?!?」
会場のみんなが驚いていると、ロッド先生がせつめいした。
「いまのは、カウンター魔法だ。上級魔法使いじゃなければ使えない魔法。呪文を唱えなくても発動させることができる。ただし、魔法はカウンターできない。」
「魔法をカウンターできない魔法????え?え?」
数人しかわかってないようだ。
「はあ、まったく、うるさいなあ。勝者超魚!」
「うおおおおおおおおお!!!!!」
こうしたらそうなるんだ(?)
「いやあ、一日目予選おわったなあ。」
と会場のみんなが一息ついているとロッド先生が言った。
「いや、まだだ。1ペアパスしている。第9試合、ミンガVSカムサ。」
すると、魔法使い二人が入場した。
「おお!完全に忘れてた!まだおわりじゃないぜ!」
会場またもや大盛り上がり。
実は、準備がすごく遅れたためパスしていたのだ。え?誰のせいだって?それは、カムサ。杖の手入れが大変だったらしい。
「よーい、はじめ!」
ミンガが、杖を上に向けた。すると、ミンガの姿が消えた。
「透化魔法か、相性抜群だな!」
と、カムサが言うと、魔力をためて、杖の先端を上に向けた。すると、カムサの周りに土が混じった岩が地中からできて、見事にミンガにあたった。
「うっ…」
と、ミンガが苦しんでいると、さらにカムサが魔法をとなえた。
「エルデ!」
といいながら杖の先端を上に向けると苦しんでいるミンガの腹に直撃。さらに次は、カムサは杖を下に向け、
「エルデ」と唱えながらまっすぐ向けると、ミンガの少し前から、ミンガの方向へエルデが伸びて、ミンガは吹っ飛ばされ、気を失った。
「勝者カムサ」
「オオオオオオオオ!!!!!」
そして、これにて一日目予選は幕を閉じた。
小魚と宝魚はクタクタだった。
「大丈夫か?二人とも。」
雷魚が心配そうに言った。
「明らかに大丈夫じゃないむし。」
ムッシーがあきれたような顔で言った。
「まったく、せっかく修行してやったのにそんな大けがして。こまったやつむし。ゆういつ輝いたのは雷魚だけむしよ。」
「うーるさいなぁー。つよかったんだぞぉー、相手がぁ。雷魚が強すぎるだぁけだぁー。」
と、宝魚は、酔っぱらいのような歩き方をしていった。
「そうそう。ムッシーの修行なんてぇー。魔法の威力しかぁー変わんないぞぉー。」
と、小魚も続いていった。
「もおー!いいから早く部屋に戻るむし!!」
そして、二日目予選。三日目予選。四日目予選。どれも見ごたえがあったが、特に見ごたえがあったのは五日目予選の第二試合目。
「では、第二試合を始める。ノエルVSマース。入場してくれ」
そして、試合開始。
まず、ノエルが仕掛ける。剣を抜いて、先端をマースに向けていった。
「『シュネーシュトルム!!』」
すると、剣の先端から、カチカチに固まった雪が空中で出現してすごいスピードで伸びながらマースにあたった。吹っ飛ばされたが、すぐに体制を立て直してベーゼトゥーテンを唱えた。直径2㎝ほどの威力が低いベーゼトゥーテンだった。ノエルは防御魔法で防いで、急接近。そして、剣を振り下ろしたが、マースは後ろに飛び下がり。唱えた。
「エルガー!」
すると、マースは、体長3mほどの大男に変身した。
そして、杖をノエルのほうに向けてベーゼトゥーテンを放った。ところが
「シュネーシュトルム シルト」
と唱えると、巨大な雪でできた壁が出現し、防がれた。ノエルが接近戦を試みようとシュネールシュトルム シルトから体を出した時にはもう近くにマースが来ていた。巨大な拳にぶん殴られノエルは左腕を負傷した。が、すぐに体制を立て直し、マースの腹を切り裂いた。さらに、距離を取り
「シュネーシュトルム リーズヒ」
と唱えるとマースの上空に巨大な雪だるまが出現して意思を持つかのようにすごいスピードでマースに直撃した。とんでもない重さに意識を保てず、マースはいつもの状態に戻って気を失った。
「オオオオオオオオ!!!!」
そして、いろいろとあって雷魚は、準々決勝。対戦相手はカイマ。
「よーい、はじめ!」
「ベーゼトゥーテン!」
両者同時に放った。もちろん威力は雷魚が上。カイマはそのことを知っていたかのように素早く防御魔法で防いだ。そしてその衝撃で出てきたがれきに向かって、
「シュタイン!」
と唱えると、そのがれきが宙に浮き雷魚に飛んでいく。それも防御魔法で防いだ。そして雷魚は杖の先端を
カイマの上空らへんに向け唱えた。
「『ドゥフル』!!」
一瞬カイマの上空に黄色い球体が見えたが、すぐにいかずちの形に変わりカイマに直撃した。
「うぐっ…」
予想外の威力にカイマはしびれている。
「次はこれだ!ドゥフル スフェール!」
杖の先端から黄色の透き通った直径20㎝ほどの球体がすごい勢いでとんで行ってカイマは吹っ飛ばされた。ビリビリッ。カイマの体がしびれる。
「まだまだ!スフェール!スフェール!スフェール!」
カイマは
激しく連続攻撃を食らって、体がビリビリしたまま気を失った。
「勝負あり。勝者雷魚。」
「オオオオオオオオ!!!!!!」
第二回戦。イルエVSカース。カースが勝った。そして第三回戦。晴魚VS小魚。
「よーい、はじめ!」
まず晴魚がベーゼトゥーテンを撃ったが、小魚は防御魔法で防いだ。次は、小魚がベーゼトゥーテンを撃った。そして晴魚を貫通。したと思ったがそこに晴魚の姿はなかった。
「きえた?」
と小魚が言った瞬間、後ろに気配を感じた。小魚は振り返ると杖を構えた晴魚がいた。
「おそい…」
と静かに言ってベーゼトゥーテンを放った。小魚は吹っ飛ばされたがすぐに体制を立て直し、ベーゼトゥーテンを三連続違う方向から撃った。だが、すべて、晴魚にベーゼトゥーテンで相殺された…どころかそれが小魚まで飛んできて大爆発を起こした。
「小魚!」
雷魚が前の席に身を乗り出していった。
大爆発の煙が晴れたところに小魚の姿が…
「いない???」
ざわざわと会場が言っている間にも小魚は、ベーゼトゥーテンをためている。コロシアムの壁で。そう、小魚は、壁と同じ模様に変身しているのだ。
小魚が小さい頃、雷魚と師匠とかくれんぼをしていた。小魚は雷魚を見つけ、二人で師匠を探していたが、まったく見つからない。いよいよ泣き出しそうになった小魚の目の前に、師匠が突然壁から出てきた。
「あはははは!見つけれなかっただろ?」
「えええええ?師匠⁉どこにいたの?」
二人がびっくりしていると、
「ここにいた。」
といって、壁にくっつき、
「『ヴァンデル』」
と唱えたら師匠の姿が消えた。
「????」
二人がまたびっくりしているとまた、師匠が壁から出てきた。
「あはははははははははは!!!びっくりしただろ?魔法を使ったんだ。二人もやってみるか?やり方なら教えるぞ。」
「でも、魔法学校に行くまで使っちゃダメなんじゃないの?」
と、雷魚が言うと、
「それは、攻撃魔法の話。攻撃魔法以外は使っていいんだよ。」
と師匠は優しく答えた。
「そうなんだ。じゃあやり方教えて教えて!」
と小魚ははしゃぎながら言った。
「えーっとねぇ…………………」
そしてしばらくして、二人はヴァンデルを習得した。
「ヴァンデル!」
二人同時に唱えると家の壁と同じ模様になった。
「おおおお!いいんじゃない?ちょっと違和感はあるけど。でも、もっと練習すれば全く気付かなくなるかもな。」
「俺も師匠みたいになりたい!」
と雷魚が言った。
「なれるよ、きっと。雷魚も小魚も。楽しみにしてるね!」
そんなこともあったっけ………。小魚はベーゼトゥーテンをためながら思った。今思えば、僕が初めて習得した魔法がヴァンデルだったな。
よし、ベーゼトゥーテン最大火力を…。
「ベーゼトゥーテン!!!!!!!!!!」
ドオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ものすごい音とともに小魚が姿を現した。
「あ!小魚!」
会場は大盛り上がり。
「小魚、師匠から教わったあの魔法を使ったな。」
と雷魚は、優しく笑みを浮かべて小魚を見た。
最大火力のベーゼトゥーテンを受けた晴魚は…………………………………………………なんと、防御魔法で防いでいた。
「僕の最大火力のベーゼトゥーテンを防ぎきった?いや、その前に反射速度が尋常じゃない!」
小魚が戸惑っていると、晴魚は小魚の後ろに回り込んでいた。
「ベーゼトゥーテン」
ゴオオオオオオオ!!!!!
「ぐっ…………」
宙に舞った小魚をさらに狙う。
ゴオオオオオオオオ!!!!!ゴオオオオオオオオ!!!!!ゴオオオオオオオオ!!!!!!ゴオオオオオオオオ!!!!ゴオオオオオオオオ!!!!
激しい5連撃。
ドスン!と地面に落ちた小魚は、体中が痛くてたまらなかった。だが、小魚は立ち上がった。
「…まだ動けるんだ。」
「ああ、何度だって立ち上がる!」
「…そう、結構耐久型だね。でも、もう君は負け確。『シュヴァハ』」
と小魚に杖を向けて言った。小魚は思った。
シュヴァハ?いま何をした?攻…………撃?
バタッ。小魚は倒れた。
「なんだ?めまいが…力が…はいらない…………」
「ほらね。もう負けを認めたら?」
「いや…だ……。」
「どうして?」
「師匠が…見てるから…」
「師匠?ここには新高一年生しかいなけど」
「会場に師匠は……………いなくても……僕の中には…いるんだ!
「⁉…」
晴魚は、かなり戸惑っている様子だ。そして、小魚は立ち上がって杖を晴魚に向けた。
「僕はね…あきらめたりなんか…しない!リインフォース!」
小魚は、すっかり元気を取り戻した。
「くらえ!ベーゼトゥーテン!」
ゴオオオオオオオオ!!!!!
こんどは、晴魚にあたって吹っ飛ばされたことが確認された。
「ごほっごほ。く…。シュヴァハ シュヴェアクラフト」
と唱えると、また小魚が苦しみ始めた。
「うう。体が重い…」
小魚は、膝立ちになってしまった。
「シュヴァハ」
「う…」
また四つん這いになった。
「まずい……意識が…もうろうと…」
そして、小魚は気を失った。
「勝者晴魚。」
「オオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!見ごたえしかない勝負だったぜ!」
晴魚は、小魚の言葉を思い出しながら思った。
心の中にいる…………師匠…………のために…………絶対に諦めない…………小魚…だっけ?この子は…………そんなに師匠のことが……
「ぎょ……るぎょ…晴魚?」
「!…」
ロッド先生の声だ。
「もう準備室に戻っていいぞ」
「あ…はい」
準々決勝第四回戦 宝魚VSカムサ
ところが会場は騒ぎ出した。
「あれ??なら超魚が残らないか?」
ロッド先生は、そのことで騒いでいると知って説明した。
「超魚は、岩を壊すテストでAをとった。だから準々決勝無しで準決勝から出場してもらう。一日目予選以外は9組じゃなくて10組だろ?」
「そうだったっけ?まあいいや。宝魚とカムサの試合始まるぞお!!!」
そして二人が入場した。
「では始める。よーい、はじめ!」
「くらえ!エルデ!」
宝魚の下からごつごつした岩が飛び出してきた。それを防御魔法で防ぎ、反撃に出た。
「エーデルシュタイン!」
宝石が飛んで行ったが、岩でガードされた。
「エルデ シュネル!」
すると、目にもとまらぬ速さで地面から岩が出てきた。
ドシュ。岩に多少のとげがあったようで、刺されたような傷ができた。
「う…この攻撃どこかで見たことあると思ったら…俺が予選と戦ったやつとほとんどおんなじだな!なら、エーデルシュタイン ゼーリエ!」
無数の宝石がカムサに飛んで行った。ドドドドドドドドドーーーン!
「おおお!!やっぱりおんなじじゃんw」
「ぐ…」
「ほらほら、もっと!エーデルシュタイン ゼーリエ!」
ドドドドドドドドドーーーーン
「う…ごほっごほ…」
「相手が悪かったな。とどめだ。エーデルシュタイン!」
ドーン!
「勝負あり。勝者宝魚。」
「オオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!物量で倒したぞ!」
そしてさらにいろいろあって、残ったのは、宝魚、ノエル、雷魚、超魚。新高一年生最強決定戦は、次回で終わる。果たして新高一年生最強は誰なのだろうか
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