7話 新高一年生最強王決定!!
新高一年生最強決定戦準々決勝。
「宝魚VSノエル。入場してくれ」
二人が入場した。
「よーい、始め!」
「シュネーシュトルム!」
とノエルが先に仕掛けたが宝魚は分かりきっていたように素早く防御魔法で防いだ。
「エーデルシュタイン ゼーリエ!」
と宝魚も、唱えたが
「シュネーシュトルム シルト」
もちろん防がれる。
「シュネーシュトルム リーズヒ!」
とノエルが唱え、宝魚は巨大な雪だるまに乗っかられる。
「ぐわああああ!!これ絶対雪だるまの重さじゃないだろ!」
「雪をなめてもらっちゃ困るよ。これは雪だけの重さ。」
「う…………がはっ」
宝魚は血を吐いてしまった。
「うう、まったく何回血を吐くんだよ。というかこの技回避不可すぎる…………」
と、言った瞬間雪だるまはぼろぼろに崩れてしまった。
「うん?なんだ?」
といって立ち上がった宝魚にノエルはいった。
「あ、もう崩れちゃった。技には魔力消費の制限がされているからね。特にこの技は魔力消費が激しいから」
「つまり、いまが隙だな!エーデルシュタイン!」
と宝魚が撃ったが、防御魔法で防がれた。
「そんなことはないけど、そっちのほうがすきだらけじゃない?シュネールシュトルム!」
「のわっ!」
ふっとばされ、宝魚は壁にめり込んだ
「くっそー、痛すぎる。まだ前回の傷が完治していないというのに…」
「私の勝ちだね。『シュネーシュトルム ヴィンド』!」
すると猛吹雪が吹き始めた。
「うわあああ!!何も見えないぞ!!」
会場のみんなが騒ぎながら目を凝らす。
「なんかうっすら見えるか見えないか…ってなんで吹雪はこっちに来ないの??」
と小魚が言うとムッシーがこたえた
「バリアが張られているむし。見えないむしか?」
「え、そうなの?みえない…」
その頃宝魚はかなり焦っていた。
「まずい…何も見えない。こんなの間合いに入り放題で、死角に入り放題じゃん。いや、目の前が真っ白で何も見えないからどこにいても死角じゃん!」
ジャキ、と音がして宝魚の腹に激しい痛みがほとばしる。
「いいいいった!!完治してないんだってばぁ!」
こんどは、ドスッ!と音がしてまた宝魚は吹っ飛ばされた。
「この吹雪をどうにかしなければ…………どこから発生しているんだ?」
宝魚は目を凝らして空を見た。
「雲が見える?さっきまでは雲1つない青空だったのに…ってことは多分雪雲!あれをどうにかしたい。…………!!!」
宝魚は反射的に左を見た。
「なんかいま、かすかに気配を…………!!」
こんどは右を見た。それでノエルは思った。
うそでしょ?見えている?
と。宝魚は気配を感じたほうにエーデルシュタインを撃ってみた
「あっぶな…………まさか見えてる?」
「うん?いまエーデルシュタインを撃ったほうにノエルの声が聞こえた?じゃあこの気配は…………!!!!」
また気配を感じた。その瞬間宝魚はそっちに連続技を撃った。
「エーデルシュタイン ゼーリエ!」
「きゃっ!」
ノエルは遠くに吹っ飛ばされた。そして、3秒ほどすると吹雪がやんだ。だがノエルは気を取り直して撃った。
「シュネーシュトルム!…………あれ?でない?…………まさか…魔力切れ?」
「魔力切れだな、戦闘不能だ。勝者宝魚!」
「うおおおおおおおおおお!!」
宝魚は、がくがく震えながらノエルに言った。
「痛いし、寒いし、すごい魔法だね。初めて見たよ、そんなすごい魔力量…………んじゃ準備室かえるわ…対戦ありがとうございました。」
「あ、うん。ありがとう…………ございました。…………そんなこと初めていわれたな…」
そして、なんと準々決勝は幕を閉じた。3日後第準決勝をやるらしい。
「いやあ、助かったよ休みがあって」
宝魚はみんなと部屋に戻りながら言った。
「俺はやめてほしいけどな、俺準決勝なしで決勝進出確定らしいよ。緊張するからやめてほしい!まじで!!」
「あっははは!かわいそうだな!」
宝魚は笑いながら言った。
「でもさ、俺が次超魚と勝ったらお前と戦うんだろ?」
「うん、そうだね」
「その時は手加減なしで行かせてもらうぞ!」
「え、う、うん」
そして3日後
「宝魚VS超魚、入場してくれ…………あ!!!!わすれてた!!」
「ん?なんだ?」
会場がざわざわ。
「宝魚!」
「ひい!なんですか?」
「お前…魔剣士か?」
「は、はい。」
「お前…今まで戦ってきて剣出したか?」
「出してないで…………」
「出してないよな!わすれてた!この試合で剣出してくれよ?成績ゴミになるぞ?」
ロット先生は煽るようにいった。
「は、はい」
宝魚は返事した。
「コホン。では始める。よーい、はじめ!」
「テネブル」
超魚が先に仕掛けた。もちろん宝魚はそれをガードして反撃。
「エーデルシュタイン!」
宝魚の目の前に宝石が召喚されたから、宝魚の視界にはエーデルシュタインしか入っていないと察知し、超魚は浮遊魔法で横に移動し、高く飛び上がり、宝魚の死角に入った。そこを
「テネブル フォール!」
ドッッッカーン!!といい、煙が立ち込めた。晴れた煙の中には…………はい、もうわかりますね。宝魚はいません。こんどは超魚の死角に入っていた。
「エーデルシュタイン ゼーリエ!」
超魚は瞬間的に振り向き、ガードした。
「⁉」
尋常じゃない反射速度に宝魚は一瞬戸惑うと
「テネブル フォール」
宝魚はふっとばされ、壁にめり込んだ。
「うう、何回も血を吐くし、何回も壁にめり込んでるし…………」
と宝魚は思っている間に超魚は目の前に来ていた。
「テネブル ポーワン」
すると超魚の杖の先に巨大な紫色の拳が出現した。そして杖を下に向けると
ドゴオオ!!!
「ぐわあ!」
こんどは床にめり込んだ。そしてさらに仕掛けられた。
「テネブル メタスタシス!」
そして落ちるようなスピードで宝魚は反対側の壁にめり込んだ。
「…………あいつ、壁にめり込みすぎむし…………」
「…………おれ、壁にめり込みすぎだろ…………」
「どう?宝魚君。僕は強い…でしょ?」
超魚が言った。
「ああ、すごく、けど…降参はしない!エーデルシュタイン シュヴァート!」
と言って手を自分の胸の前に出し手のひらを地面に向けて唱えた。すると杖が宝石でできた剣に変化し、それをしっかりと握って構えた。
「こい!」
「のぞむところだ!テネブル フォール」
それを宝魚は、切り続けながら走る。
「俺のテネブルが横に切られている?剣に?」
そしてすぐに超魚の目の前につき、刃をふりおろした。上半身に斜めに大きく深い傷ができた。
「ぐっ…………」
超魚が3歩ほど下がったが宝魚はすぐさま仕掛けた。
「エーデルシュタイン!」
すると剣の先端からエーデルシュタインが出てきた。
「ぐわあ!」
こんどは超魚が壁にめり込んだ。そして
「…仕方ない。大技を使おう。」
と言って杖を空に向けた。
「テネブル フォールフォルセ!!」
すると超魚が空を飛び、そのちかくに巨大な紫色の球体が出現した。
「う、うそだろ…………」
既に気を失いそうな宝魚は絶望している。そして、超魚が杖を宝魚に向ける。宝魚はかなりの疲労状態のためその降ってくる球体を見つめることしかできなかった。
ドッッッッッッッッッカーーーーーーーーーーン!!!!!!!!!!!!
凄まじい爆音とともに爆風も吹き始めた。そしてすべてがおさまった頃にはボロボロの宝魚が倒れていた。
「しょ、勝者超魚。」
ロット先生も少し焦っていた。超魚は運ばれていく宝魚を見ながら言った
「やりすぎたかな?ごめんね…宝魚君。」
そして5日後…………
「それでは、新高一年生最強決定戦、決勝戦を始める。雷魚VS超魚入場してくれ。」
「うおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」
会場は今までで一番盛り上がっていた。
「よーい、始め!!」
超魚が先に仕掛けた。
「テネブル フォール!」
それを雷魚は防御魔法で防いで反撃した。
「ドゥフル!」
それを超魚はヒラリとかわして一瞬にして姿を消した。
「き、消えた?」
雷魚がキョロキョロしていると背後に気配を感じた。雷魚が後ろを振りむいた時には遅かった。
「テネブル フォール」
「うわっ!…………」
どおおおん!!雷魚はあばら骨を抑えて魔法を唱えた。
「ドゥルフ スフェール!」
もちろんガードされた。
「テネブル メタスタシス」
と唱えると雷魚は地面に顔から突っ込んだ。
「テネブル ポーワン」
「ごわっ!…………」
雷魚は紫色の拳に殴られ、吹っ飛んで行った。
「…………」
雷魚はボロボロになりながらも立ち上がった。それを見て超魚は言った。
「あれだけ一方的にやられたのにピンピンしてるね…」
「まあね、ドゥルフ ジェアンテ」
……………………しばらくの間沈黙が続いた。
「いま、なにをした??」
超魚が言った瞬間空がピカッとひかり、2つのいかずちが超魚を直撃した。
「…こうした。」
雷魚が杖を上に向けながらいった。そして、杖を超魚に向けた。すると超魚に今度は3つのいかずちが直撃した。
「ぐう…………」
と苦しみながらしりもちをついた。ビリッビリリッと超魚の体は感電している。
「動けないだろ?今度はこれだ!ドゥルフ オブジェクト」
雷魚の杖の先からいかずちが飛び出して超魚にあたり、吹っ飛ばされた。超魚はしびれが消えたらしい。すぐさま体制を立て直して反撃した。
「テネブル フォールフォルセ!!」
空に巨大な紫色の球体が出現した。
「俺がくらったやつだ!」
宝魚はその球体を見つめて言った。
「わかった。超魚。君は俺の固有魔法に弱い。なら……!」
ドオオオオオオオオーーーーーーーーン!!!!!!
煙がはれた。雷魚はピンピンしていた。よく見ると雷魚の周りには黄色い膜のようなものがはってあった。
「!?……」
超魚は驚いていった。
「なんで…………」
「防御魔法と固有魔法を合わせた技だ。本当はあの威力の魔法は防ぎきれない。だが君は雷に弱いらしいからね。」
「なぜそんなことが分かった?」
「なんとなくだよ。そんな感覚があった。」
「そうか…………なら、どんなことをしても防ぎきれない魔法を撃ってやろう。」
超魚はそう言って空高く舞い上がった。そして、杖を地面に向けてとなえた。
「テネブル リヴェラシオン!!」
といった瞬間地面にひびが入った。
ゴオオオオオオオオン!!!!!!
と言って地面から飛び出してきたのは超巨大な紫色のドラゴンの爪のようもの。左右4本ずつ。それが雷魚に振り下ろされた。バリアは2秒もしないうちにつき破られた。
「ぐあああ!!!」
その爪は雷魚の全身に深くえぐりこんだ。
「う…………うう」
だがそれだけでは済まなかった。爪が出てきた大きな穴からとてつもないエネルギーを感じる。
ドッッッッッッッッッッッッッカーーーーーーーーーーーーン!!!!!!!
大爆発を起こした。超魚は地面に着地し、杖を落とし、膝をついた。だが、雷魚は完全にノックアウトしていた。
「しょ、勝負あり。勝者超魚」
会場は大盛り上がり…………というかざわざわしていた。
「いや…半端ねぇ」
「あれだけする必要ある?」
「そうじゃないと倒せなかったんじゃない?」
「てか生きてんの?」
ざわざわざわざわ。
宝魚、ムッシー、小魚は心配で心配で言葉も出なかった。
そして1時間後雷魚の生存が確認された。
「よかったー…………」
三人は崩れ落ちるように脱力した。
「まったく…心配させるやつむし…あとで焼肉おごってもらうむし!」
そして放課後、三人は雷魚に会いに行った。
「えーっと…ここだっけ?『治癒研究部』の部屋。」
「失礼します」
と言いながら小魚と宝魚は部屋に入った。ムッシーは小魚の胸のポケットに隠れている。
「あら、いらっしゃい。この子のお友達?」
雷魚が寝ているベットの横に座っているこの先生は『治癒研究部担当のリーザ先生』だ。
「あ、僕は弟でこっちが友達です。」
宝魚は雷魚の顔を覗き込んでいった。
「大丈夫か?」
「明らかに大丈夫じゃないむし。」
ムッシーは小声で言った。
「立場逆転してるね…」
小魚はいった。
「きてくれたのか…………ありがとうな…………」
と言った雷魚を見てリーザ先生はしかりつけた。
「しゃべっちゃダメ!薬の効果が落ちちゃうんだから。早く元気になって素敵なお友達と遊ぶんでしょ?」
「いわないでほしかった…………てかなんで母親目線?」
「しっ!」
そして二人は部屋を出た。
「早く元気になってほしいな」
宝魚はいった。
「そのとうりむし!みんなで一緒に焼肉いくむし!雷魚のおごりで」
「そうだね。兄ちゃん…元気になる日を待ってるよ」
それから3日後小魚は自分の部屋をムッシーと一緒に出た。そして曲がり角で………………………
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます