子育て世帯の方々に強く、深く、痛く刺さる掌編。
「愛」の反対は「無関心」――我が子へ注いできた時間と愛情は、いつしか自分たちのスマホへと吸い込まれていく。
親の真実を語る、こどもたちの心の瞳。
表情、言葉、態度……これらは無意識のうちに我が子を苦しめているかもしれない。
激昂や哀叫を排した淡々とした語り口が、かえって感情を助長する表現として胸に迫ってくる。
我が子のために、いまの私たちに何ができるだろうか。
答えはこの小説に、否――貴方のこどもたちの態度や言葉に現れているだろう。
今一度、耳を傾けてみれば、視線を配れば、きっと見えてくる。
日々の疲れた心と身体にもう一度問いかけたい。
そばにいるだけでいい。
言葉はなくとも頷くだけでもいい。
我が子のために。
その子の先の未来のために。
愛を無関心で終わらせないために。